こだわりのギアだけに丁寧にクリーニングしたい
サーキットを走ると、暑さとその緊張から多量の汗をかくもの。そのまま放置すれば、もちろん大変なことになってしまう。そこで部位ごとのメンテナンス方法を紹介していこう。
【レーシングスーツ】ネットに入れて洗っちゃえ!! 専門クリーニング業者もある
レーシングスーツはびっしょりと汗を吸い込むのが普通。気をつけないとあっという間に臭くなってしまう。ちょっとタオルが臭くなったくらいなら捨ててもいいが、10~20万円のレーシングスーツはそうはいかない。
1:まず現場で干す
走行が終わったら裏返して、日陰に干す。これがオススメ。蒸れたままにしておくとすぐに臭くなってしまう。発酵する前にまずは干そう。干すときは裏返しがオススメ。濡れている面を外に出す意味と、日焼けして色が変わってしまいやすいので裏返しておくと安心。
2:帰ったらネットに入れてすぐに多量の水で洗濯機で洗う
洗濯機でもネットに入れておけば大丈夫。色移りすると高いので、ほかのものとは一緒に洗わないのがオススメ。水の量は多めにして、あまりモゴモゴと洗わないほうが無難だ。脱水もあまりしつこくやると怖いので、軽めにして日陰干しにしたい。何かあると怖いので、乾燥機もオススメはできない。ちなみにフェイスマスクとグローブも一緒に洗濯機で洗ってしまって、日陰干しがオススメ。
3:どうしてもダメなら専門業者へ
最近はレーシングスーツなど、モータースポーツ関連のものを専門に洗ってくれるクリーニング業者も存在する。8000~1万円ほどのようだが、匂いも黄ばみもスッキリすると、シーズンオフに出す人も増えているという。
ちなみにスーパーGTに参戦する某GT300クラスチャンピオンドライバーに洗い方を聞くと、手洗いにこだわっていて、お風呂にぬるま湯を張り、そこに薄く洗剤を入れてそっとスーツを入れて手洗い。何度かお湯を変えながらすすいで、軽く洗濯機で脱水だけしているという。
ほかの某GT300チャンピオンドライバーは、レース用はチーム管理なので自分では洗わないとのことだが、取材やイベント用のスーツは普通のクリーニング店に出しているという。普通にお願いすると特殊なものとして4000円とかになってしまうが、「作業つなぎ」と言い張れば、半額以下で洗えるという。これまでトラブルになったことはないというが……。
【ヘルメット】もちろん水洗いはNG。とにかく干す&拭く
そして最難関はヘルメット。臭くなりやすいし、そうなったら使うのもおっくうになってしまう。いかにして汗を拭き取り、乾燥させるかにかかっている!!
1:まずは汗を拭き取る
ヘルメットの内装は基本的に外して洗うことはできない。2輪用は外して洗えるものが主流だが、4輪用は難燃性素材でそもそも違うので、いまだに外して洗えないものが多い。そこで使用後は硬く絞ったタオルで、汗を吸うように軽く拭き取る。ゴシゴシやるとあっという間にダメージを受けてしまうので、そっと汗を吸うようなイメージだ。
2:現場で干す
走行後はすぐに干すこと。レースでは専用の乾燥機があったり、無いチームでは扇風機の上にヘルメットがおけるようになっていて、走行時以外はつねに乾燥させるようになっている。
3:帰りの車内でも干す
走行後に完全乾燥してから帰ることは少ないだろう。そこでオススメなのがS字フックでシートに掛けて、乾かしながら帰ること。これなら家についたころにはヘルメットが香ばしくなってしまうこともない。
4:家でもシールドは締めず風通しを良く
自宅で保管時にオススメはシールドを開けておくこと。メタルラックなら下方向にも空気が抜けるのでなお良い。平面に置くときもなにかをゲタのようにして、下方向にも空気が抜けるようにすると良い。実際、乾燥させたヘルメットを袋に入れて数カ月保管したところ、内部がカビだらけになってしまったこともある。
ちなみに消臭系のスプレーはむしろ、その匂い汗臭さが混ざりあってしまう。まずはとにかくしっかりと乾燥させることから始めよう。