どちらを選んでも大満足できることは間違いない
ある意味、アウトドア最強の先進的SUVの2台が、三菱アウトランダーPHEVとトヨタRAV4 PHVだろう。両車は本格的な4WD性能、最低地上高を持ちつつ、アウトドアでも大活躍してくれるAC100V/1500Wコンセントを備えているのが特徴だ。
悪路を含むアウトドアフィールドまで安心・安全に辿り着くことができ、アウトドアやキャンプのシーンでは、車内外で1500Wまでのコーヒーメーカーや簡易電子レンジ、ホットプレート、照明などの家電品が使え、まさにアウトドアやキャンプでオールマイティに使えることになる。
では、アウトランダーPHEVとRAV4 PHVを比較した場合、どちらがより優位なのか? ここではアウトドアやキャンプで想定される項目別に比較していきたい。
走破性は日本のアウトドア&キャンプシーンではどちらも文句なし
もっとも、走破性に関しては、極悪路に限ればアウトランダーPHEVが優勢ながら、どちらも日本のアウトドア&キャンプシーンでは文句なし! と言っておきたい。そもそも日本のアウトドアフィールドへのアクセス、構内の道は整備されていて、FFの乗用車でも大丈夫なほど。
また、ワイルドな場所へ踏み込んだとしても、前後モーターによる4輪駆動、アウトランダーPHEV=200mm(タイヤサイズが異なるMのみ195mm)、RAV4 PHV=195mm(タイヤサイズが異なるブラックトーンのみ200mm)によって、安心・安全に走破できるのである。その上で、アウトランダーPHEVには多彩な走行モードが備わることになる。
とにかく広いラゲッジスペースを持つ「RAV4 PHV」
大きなポイントは荷物の積載性だ。アウトドア、キャンプともなれば、ホテル宿泊旅行とは異なり、荷物は増大。それをスムースに無理なく積める積載力が、現地、そして撤収時に威力を発揮する。
ということで、両車のラゲッジルームをまず見てみよう。
一方、RAV4 PHV(2列シートのみ)は、開口部地上高695mm。フロア奥行き1020mm、実用フロア幅1150mm、最低天井高805mm。VDA方式によるフロア上の容量は490L(デッキボード下位置)だ。
つまり、重いアウトドアやキャンプ用品を出し入れするのにより楽なのは、ラゲッジルームのフロア地上高がより低いRAV4 PHV。容量としてもRAV4 PHVが優位に立つ。とはいえ、アウトランダーPHEVのラゲッジルームも決して狭くはない。2~4名で行くアウトドアやキャンプの荷物を余裕で積載できる広さ、容量と言って良く、RAV4 PHVが「広すぎる」と見るのが正しい。
というのも、そもそも、いきなりクロスカントリーテイストを高めた現行RAV4のパッケージングの考え方は、後席の居住スペースよりアウトドアやキャンプの大荷物に対応すべく、ラゲッジルームの広さや使い勝手を優先したものだからだ。
それは後席ニースペースに表れていて、身長172cmの筆者のドライビングポジション基準で、アウトランダーPHEV250mm、RAV4 PHEV210mmという差になって表れる(ホイールベースがアウトランダーのほうが長いこともある)。
つまり、後席も使用した乗車状態で、どちらが後席乗員にとって快適かと言えば、膝周り空間の余裕から見ると、アウトランダーPHEV優勢ということになるわけだ(頭上方向は170~180mmで同等)。40mmの差は実際に座ってみるとけっこう大きいからである。
後席の快適性はアウトランダーPHEVが優位
また、アウトドアやキャンプのドライブは、比較的長距離を走ることになり、後席の快適性も重要だ。その点では、広く、そして3ゾーンフルオートエアコンを用意したアウトランダーPHEVが優位。ただ広いだけでなく、エアコンの空調機能は、運転席や助手席はもちろん(RAV4 PHVも)、後席も独立して温度設定ができるため、暑がり、寒がりの人が乗り合わせても、それぞれに最適な空調環境が得られるのである。とくに暑い時期のドライブでは、威力を発揮してくれるに違いない(逆に言えば前席2名乗車なら空調に関しては差が出ない)。