ハイブリッドカーであってもバッテリーの性能低下は避けられない
もちろんハイブリッドカーの場合でも、停車中にエンジンのオンオフが頻繁に繰り返されるアイドリングストップはやめた方がよい。過走行と言えるほどではない10万km以下の走行距離なのに(例えば5~6万km程度)、ハイブリッドカーのバッテリーがダメになってしまうのは、オンオフを繰り返すアイドリングストップ機能によるバッテリーへの負担が原因と考えられる。
それは最先端のハイブリッドカーであってもバッテリーの基本性能には限界があり、劣化が進んでしまうことで結果的に燃費に悪影響を及ぼす。渋滞中や信号待ちなどではアイドリングストップを活用し、駐停車時はエンジンをオフにする。このほうがクルマには優しいと覚えておきたい。
ユーザーの経済的負担軽減のためにアイドリングストップ機能が省略されている
冒頭で少し触れたが、最近のクルマではアイドリングストップ機能を省略している車種が増えているというのは、こうした理由があるから。アイドリングストップ車のスターター用バッテリーは高価である反面、短時間で大きな電力を出し入れすることが求められる。結果として高価なわりに寿命が短くなる傾向がある。そうしたユーザー負担に対して配慮したのがアイドリングストップ機能の省略につながっている。
21世紀になって久しいが、いまだにエンジンの始動用バッテリーが鉛であり、ハイブリッドにはリチウム系かニッケル水素系が使われているのは、それぞれの適材適所があるから。それらの適正を考えて使うのがベストで、トヨタがニッケル水素電池のバイポーラ型を搭載したが、これがすべてのトヨタ車に置き換わる予定はないようだ。つまり、適材適所に合わせて適したバッテリーが搭載されるため、ハイブリッド車やアイドエリングストップ機能付き車に採用されている、高性能バッテリーがすべて万能というわけではないのだ。
結論として信号待ちなどでのセルフアイドリングストップは「しない」が正解!
近年の電力不足は大きな問題となっているが、基本的に電気を貯めることは非常に効率が悪いので、電力会社は電力を貯めることなくつねに発電で電力を賄おうとしている。毎日使っているから気が付かないかもしれないが、スマホのバッテリーは電源を切っていても、数日経てば数%は減るもの。溜めるのが難しくて勝手に減るのが電気なのだ。
アイドリングストップ車はエアコンが必須な季節はアイドリングストップ機能をオフにする。アイドリングストップ機能がないクルマは、酷い渋滞などでウンともスンとも進まないような状態であれば、エンジンを一旦オフにすることもありだが、基本的にはセルフアイドリングストップはオススメしない。
クルマが最新装備でどれほど簡単に運転できるようになろうが、いまだ機械の集合体なのだから機構を理解して使わなければ、機械自体に負担がかかる。負担増はトラブルにつながるのでトラブルは金銭的にも環境的にも負荷をかけることになる。アイドリングストップは正しい知識が必要な行動であり装備だ。道路を走っているのは自分だけではないことを認識して地球規模での削減、削減方法を模索したい。