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「車高調」は宝の持ち腐れな人だらけ! 調整できるのに「買ったまま」の減衰力で乗るのは愚の骨頂だった

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: Auto Messe Web

  • 減衰力調整のイメージ

  • 公道走行のイメージ
  • サーキット走行のイメージその1
  • サーキット走行のイメージその2
  • 減衰力を調整
  • 減衰力調整のイメージ

乗り心地や運動性能を左右する

 サスペンションの話題でよく耳にする『減衰力』なる用語。路面からの衝撃などを吸収することで、発生したスプリングの振動を素早く収束させる力を指し、多くの社外ダンパーには調整機能が付いている。

 スタンダードな車高調を例に説明するとスプリングは車高を含む足まわりのストローク量、ダンパーは減衰力で足まわりのストローク速度を制御とそれぞれ役割が異なっているのだ。今回はスプリングの硬さや車高とあえて切り離し、ダンパーに絞ったセッティングのセオリーや、調整する際に気を付ける点などを考えたい。

メーカー推奨値をまずは基本に

 まず大前提として「最初はメーカー推奨値で乗る」こと。街乗りメインだろうと走り重視だろうと大半の車高調には、メーカーが定めたオススメのセッティングが存在している。モチロン走り方や好みはドライバーにより千差万別なので、メーカー推奨値が満点にならないケースも少なくないが、調整のスタート地点として最適であることは間違いない。速度が極端に出ない市街地から高速道路、ワインディングやギャップの多い路面まで、できるだけ多くのシチュエーションで試そう。

減衰力を調整

 そこで不満があれば減衰力を変えてみる。まずは乗り心地が悪いと感じた場合は、推奨値より柔らかくするのがセオリーだ。なお「減衰力が柔らかい」は「スプリングの振動がゆっくり収束する」と同義で、反対に「減衰力が硬い」のは「スプリングの振動が素早く収束する」こと。つまり減衰力が柔らかいほどスプリングは緩やかに動きを落ち着かせ、結果としてドライバーは「乗り心地がいい」と感じることになる。

公道走行のイメージ

 ただし現実にはスプリングレートとの兼ね合いもあり、減衰力だけで乗り心地をよくするには限界があるし、快適な乗り心地という基準もドライバーによりけりだ。減衰力をもっともソフト側に振っても乗り心地が改善されるとは限らず、逆にスプリングの硬さだけが目立ち不快な乗り味になってしまうかもしれない。そんな場合はお金と手間がかかるスプリングではなく、タイヤの空気圧を変えてみるのもひとつの方法だ。

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