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軽なら5万円でカンタンに馬力アップ可能! ターボ車の特権「ブーストアップ」の魅力

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: Auto Messe Web

  • ブースト計のイメージ

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  • レスポンスジェット
  • ECUの書き換えイメージ
  • R35の社外インタークーラー

手軽にパワーアップできるターボ車の特権

 ターボ車のチューニングで有名な『ブーストアップ』なるメニュー。過給器を使ってエンジンが吸入する空気に圧力をかけ、NAに比べ大きなパワーを出せる仕組みのターボ車で、圧力すなわちブーストを高めるのがブーストアップだ。ノーマルの状態ではエンジンやタービンを保護したり、燃費や扱いやすさを考慮して低めに設定されている。言い方を変えればキャパシティに余力を残した状態であり、ブーストアップはその部分を使い切ることで潜在能力を引き出せる。

 エアクリーナーやマフラーなど吸排気系チューンの次、もしくは同じタイミングで行なわれるケースが多く、タービン交換ほど極端なパワーの向上は望めないが、費用対効果の面ではブーストアップがベストとの声も多い。では具体的にどのようなパーツが必要で、どれくらいの費用がかかるのだろうか。

基本的にパーツのポン付けでOKな方法もある

 もっとも手軽かつ低コストと思われる手段のひとつが、過給圧を制御するソレノイドバルブにかかる圧力を調整し、ブーストそのものや立ち上がりの特性を改善する方法。例を挙げれば『シエクル』のヒット商品『レスポンスジェット』で、径の異なる複数のジェットを使い分けブーストを細かくコントロールする。

レスポンスジェット

 ECUは書き換えず純正なのでブーストが上がりすぎる、つまりエンジンの負担になるレベルに近付けばリミッターが作動し、ダメージを最小限に抑えてくれる点もありがたい。価格は車種によって変わるが最安なら1万1800円から、取り付けが比較的カンタンなのも大きな魅力だ。

現代のクルマはECUの書き換えがベスト

 より大幅なパワーアップを求めるなら、ECUの書き換えが安全かつ確実だろう。昔は機械式または電気式のコントローラーだけでブーストを上げることもあったが、燃料が追い付かずエンジンブローなどのトラブルを引き起こす例が少なからずあり、真価を引き出すには空燃比や点火時期の最適化も必須という考えが定着。現在はECUのマップ書き換えがブーストアップのスタンダードな手法となっている。

 そのECUは専用のデータを入れたうえで販売、要は純正と交換するだけでOKという製品と、個別に書き換える通称『現車セッティング』がある。車種別のチューニングECUは『ブリッツ』が力を入れており、HA36S型アルトワークスなら純正で約0.9kPaのブーストを約1.2kPaまでアップ、加えてレブリミッターやスピードリミッターの変更や各種マップの最適化も行う。

ECUの書き換えイメージ

 開発車両のデータでは15.3ps&10.1Nmの向上が確認され、価格は5万5000円と費用対効果の大きさは説明するまでもない。5万円で15psはNAじゃ考えられない数字で、まさしくターボ車の特権と呼ぶに相応しい。

 現車セッティングは装着パーツや走るステージに合わせ、より細かいデータを作ることが可能ではあるが、場合によっては安全マージンを削ることもあり、当然ながら料金もプラスされると覚えておこう。まずは市販されている社外ECUをそのまま使い、次のステップで現車セッティングがオススメだ。なおデータの書き換えはチューナーの技量で大きく左右されるため、自分と同じ車種が得意でノウハウも豊富なプロショップに依頼したい。

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