もはや苦行!? カスタムすればするほど「苦労」する改造車エピソード
クルマに手を加え、自分らしさを強調する「改造車」の世界。気軽な気持ちで足を踏み入れたのだが、注ぎ込んだ金額は車両価格の何倍にもなってしまった……なんて人も多いのではないだろか? ローダウン、鬼キャン、ひっぱりタイヤ、エアロパーツ、エンジンの魔改造などなど、手を加えれば加えるほど快適性が損なわれ「苦労」が付きまとう。覚悟をしていたとはいえ、こんなに大変だったとはという実話に基づくエピソードを厳選してご紹介しよう。
「過度なシャコタン」はオーナーの身体にすらダメージを与える!
先輩Nクンの愛車はZ33と呼ばれる日産フェアレディZ。シルバーのボディが美しい2ドアクーペだが、その自慢はガッチリと車高調で足まわりを硬め、低められたローダウンスタイルだ。高速道路のドライブでは実力を発揮するハードなサスペンションだが、コンビニやガソリンスタンドに入る度に助手席のボクは「クルマから降りろ」と命令され、少しでも重量を軽くしないと段差が乗り越えられないという不自由を強いられていた。
もちろん、駐車場のクルマ止めには近づけず、コインパーキングはフラップのない場所を選ぶために時間が掛かる。そんなNクンが「最近、腰痛がひどいんだよなぁ」と不調を訴え整骨院に掛け込むと、院長が「あんなクルマに乗ってるからだよ……。このままだと腰部脊柱狭窄症になっちゃうぞ」とひと言。悪化する腰痛に悩むNクンは「俺の青春は終わった」の名言を残し、サスを快適な純正に戻したのである。
ローテーションも意味なし!? 数千キロで終わる「鬼キャン」の弊害
傍から見ていても大丈夫かと思うほどの鬼キャンのホンダ・オデッセイに乗る後輩Y。個人的に見て、決してカッコイイとは思えないのだが、Yはその個性的なルックスが自慢のようだ。真正面から見るとトレッドの1/3しか路面に接地していないタイヤはグリップ力に乏しく心配になってしまう。そんなYの悩みはタイヤの偏摩耗だといい「このクルマ5000kmでタイヤが終わっちゃうんですよ」と語る。
半年に一度はタイヤ交換を余儀なくされるYだが、ある日「俺、閃きました。タイヤが減ったら左右を入れ替えれば寿命が倍になるんですよ。俺って天才!」と左右のタイヤを入れ替えることに気が付いた。だが、左右非対称のタイヤを履いていたために、タイヤ屋さんで入れ替えを断られてしまったという。するとYは「次のタイヤは左右対称パターンのタイヤにすれば寿命は倍っす。俺って天才!」と喜んでいたのだが、ボクからすれば倍になっても寿命は1万km……。どう考えてもYが天才とは思えない。
ツライチの前にホイール購入資金が吹っ飛んだ「DIYツメ折り」の悲劇
トヨタ・クラウンに乗るKクン。軽くローダウンを施した大人仕様のスタイルがお気に入りだが、唯一不満なのがタイヤとフェンダーのクリアランス。清水の舞台から飛び降りる覚悟でホイールを交換することを決め、「ツライチ」にするためにフェンダーのツメを折り曲げることを思いついた。しかし、ホイールを購入するため予算を節約したいKクン。ツメを折る作業をDIYで行ったのが不運の始まりであった。
知り合いの板金屋さんからローラータイプの専用工具を借り出し、自宅ガレージで作業を行ったのだが結果は惨敗。ヒートガンでフェンダーを温めきれていなかったことが原因なのか、見事に塗装が割れてしまい作業は中断となってしまう。ガレージのなかで30歳を越えたオッサンが本気で半ベソをかいている姿は笑えたが、当人には「元気を出せよ」という言葉をかえるのが精いっぱい。結局、知人の板金工場でツメ折り加工とフェンダーの補修塗装をすることになり、ホイールを購入しようと考えていた金額が消えてしまったという。Kクンのクラウンはキレイにツメが折れたのだが、いまだにホイールが購入できずクリアランスが空いたままの状態が続いている。