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腰痛発症! タイヤ貧乏! 笑えないクルマカスタムの慣れの果てエピソード5つ

SEMAショーに出展のS2000

もはや苦行!? カスタムすればするほど「苦労」する改造車エピソード

 クルマに手を加え、自分らしさを強調する「改造車」の世界。気軽な気持ちで足を踏み入れたのだが、注ぎ込んだ金額は車両価格の何倍にもなってしまった……なんて人も多いのではないだろか? ローダウン、鬼キャン、ひっぱりタイヤ、エアロパーツ、エンジンの魔改造などなど、手を加えれば加えるほど快適性が損なわれ「苦労」が付きまとう。覚悟をしていたとはいえ、こんなに大変だったとはという実話に基づくエピソードを厳選してご紹介しよう。

「過度なシャコタン」はオーナーの身体にすらダメージを与える!

 先輩Nクンの愛車はZ33と呼ばれる日産フェアレディZ。シルバーのボディが美しい2ドアクーペだが、その自慢はガッチリと車高調で足まわりを硬め、低められたローダウンスタイルだ。高速道路のドライブでは実力を発揮するハードなサスペンションだが、コンビニやガソリンスタンドに入る度に助手席のボクは「クルマから降りろ」と命令され、少しでも重量を軽くしないと段差が乗り越えられないという不自由を強いられていた。

 もちろん、駐車場のクルマ止めには近づけず、コインパーキングはフラップのない場所を選ぶために時間が掛かる。そんなNクンが「最近、腰痛がひどいんだよなぁ」と不調を訴え整骨院に掛け込むと、院長が「あんなクルマに乗ってるからだよ……。このままだと腰部脊柱狭窄症になっちゃうぞ」とひと言。悪化する腰痛に悩むNクンは「俺の青春は終わった」の名言を残し、サスを快適な純正に戻したのである。

ローテーションも意味なし!? 数千キロで終わる「鬼キャン」の弊害

 傍から見ていても大丈夫かと思うほどの鬼キャンのホンダ・オデッセイに乗る後輩Y。個人的に見て、決してカッコイイとは思えないのだが、Yはその個性的なルックスが自慢のようだ。真正面から見るとトレッドの1/3しか路面に接地していないタイヤはグリップ力に乏しく心配になってしまう。そんなYの悩みはタイヤの偏摩耗だといい「このクルマ5000kmでタイヤが終わっちゃうんですよ」と語る。

 半年に一度はタイヤ交換を余儀なくされるYだが、ある日「俺、閃きました。タイヤが減ったら左右を入れ替えれば寿命が倍になるんですよ。俺って天才!」と左右のタイヤを入れ替えることに気が付いた。だが、左右非対称のタイヤを履いていたために、タイヤ屋さんで入れ替えを断られてしまったという。するとYは「次のタイヤは左右対称パターンのタイヤにすれば寿命は倍っす。俺って天才!」と喜んでいたのだが、ボクからすれば倍になっても寿命は1万km……。どう考えてもYが天才とは思えない。

ツライチの前にホイール購入資金が吹っ飛んだ「DIYツメ折り」の悲劇

 トヨタ・クラウンに乗るKクン。軽くローダウンを施した大人仕様のスタイルがお気に入りだが、唯一不満なのがタイヤとフェンダーのクリアランス。清水の舞台から飛び降りる覚悟でホイールを交換することを決め、「ツライチ」にするためにフェンダーのツメを折り曲げることを思いついた。しかし、ホイールを購入するため予算を節約したいKクン。ツメを折る作業をDIYで行ったのが不運の始まりであった。

 知り合いの板金屋さんからローラータイプの専用工具を借り出し、自宅ガレージで作業を行ったのだが結果は惨敗。ヒートガンでフェンダーを温めきれていなかったことが原因なのか、見事に塗装が割れてしまい作業は中断となってしまう。ガレージのなかで30歳を越えたオッサンが本気で半ベソをかいている姿は笑えたが、当人には「元気を出せよ」という言葉をかえるのが精いっぱい。結局、知人の板金工場でツメ折り加工とフェンダーの補修塗装をすることになり、ホイールを購入しようと考えていた金額が消えてしまったという。Kクンのクラウンはキレイにツメが折れたのだが、いまだにホイールが購入できずクリアランスが空いたままの状態が続いている。

掴まされて買ったが最後「後悔先に立たず」な激安エアロ

 これは少し前の話だが、友人Sは通販でフロントスポイラーを購入。届いた大きな段ボール箱を空けてみると、白いゲル塗装が施されたS13シルビア用のフロントスポイラーがプチプチに包まれていたのだが、本体以外には説明書や取り付け用のステーも入ってなかった。取りあえず純正バンパーを外してボディに合わせてみると……? なんと左右の長さが大きくボディにブカブカの状態だ。さらにはリップ部分が少しばかり右に捻じれている粗悪さ満点の仕上がりであった。

 予定ではDIYで塗装して取り付ける予定だったSクンだが、自分ではどうすることできず馴染の板金屋に持ち込んで取り付けを依頼することに。すると板金屋のオヤジさんが「これ、工賃が高くつくよ。左右を詰めてFRPで補修しないと取り付けらないからね」と半ギレ。さらに「リップ部分も補修すると有名エアロブランドの商品を買った方が安いと思うよ」と言われてしまい、取り付け作業だけをお願することに。仕上がったS13は見違えるような姿へと変身したのだが、正面から見るとリップ部分が捻じれているのが分かる。その後S13が「右曲がりのS13」と呼ばれるようになったのはここだけの秘密である。

泣くに泣けないの深すぎる「チューンド中古車」の闇と罠

 今から数十年前、クルマに興味を持ち始めたRクンは中古車雑誌でクルマを探し始め、「どうせ買うなら最初から手を入れてあるチューニングカーを選んだ方が安くつく」との結論に達した。すると、走行距離は多いものの格安の三菱ランサーエボリューションⅡを発見し、マッハの勢いで買ってしまったのである。タイヤ&ホイール、タービン、インタークーラー、吸排気系に手を入れたエボ2は勇ましい排気音を響かせ、Rクン自慢の愛車になったのだが、納車から数カ月後にはエンジンがグズり始め、調子の悪い状態が続いた。

 クルマを購入した中古車屋に相談するも現状渡しの保証なしだったことで修理を断られてしまい、自力でチューニングショップを探し出してメンテナンスを依頼。すると、某有名チューニングショップで「このクルマはどこのショップでチューニングしたの? これ……ヤバイよ」と言われ、ECU、吸気系、配線などを徹底的に追いかけなければ不調の原因が分からないとのこと。また、何のパーツを使っているのかも不明なこともあり、症状の改善には手間と莫大な予算が掛かる可能性があるとの話を聞いたRクンはパーツ取り車同然の価格でクルマを手放し、憧れのチューニングカー生活に終止符を打ったのである。

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