初めてのモータースポーツとしても人気だ
2000年に始まったヴィッツのワンメイクレース。ナンバー付き車両に限定したことでモータースポーツ人口の拡大に貢献し、以降もモデルチェンジを経て現在はヤリスにコンセプトが引き継がれている。
自動車メーカーが主導するワンメイクレースは基本的に現行型の車両を使うため、モデルチェンジの度にニューモデルを導入するチームやドライバーも多い。そこで気になるのが、一線を退いた中古レースカーの余生だ。
サーキット走行で必要なものが揃っているのはメリット
サーキットによっては旧型を使って独自のレースを開始することもあるが、この『型落ちナンバー付きレースカー』は価格がリーズナブルなこともあり、サーキットで遊んだりチューニングのベースとして使うのにも向いている。
最大の魅力はカテゴリーを問わずロールケージが装着されていること。万が一のクラッシュや横転からドライバーを守りつつ、ボディ剛性を高める効果も期待できるアイテムだ。取り付けには内装の脱着や加工および溶接を伴い、部品代とは別に工賃もそれなりにかかってしまう。そんな大物が最初から付いているのはお買い得感が高い。
足まわりもレースのレギュレーションによっては車高調(ノーマル形状の場合も)だし、マフラーやブレーキといったパーツも好みかどうかは別として手が入っている。バケットシートや4点式シートベルトは外されることもあるが、それらを差し引いても後からチューニングにかかる費用は安く済む。エンジンは原則としてノーマルなので耐久性を損なわず、車検はそのまま通せるうえレース参戦だって可能だ。
もうひとつの楽しみ方はあくまでもベースとして考え、さらなるカスタムを施したうえで走らせるスタイル。例えば初代ヴィッツ(SCP10)なら公認車検を受ける必要はあるものの、純正の1000ccから上位グレードに存在した1500ccに載せ換えたり、86/BRZならターボやスーパーチャージャーでパワーアップ、また排気量アップのキットも何パターンか用意されている。いずれにせよロールケージや牽引フックといった、サーキット用の装備の出費が減るのは変わらない。