キャンプで大切なのは時間の確保! その意味では近場キャンプがオススメ
今回のコラムは「キャンプ場選び」について語ってみたい。個人的な趣味の話だが、ボクはここ数十年ルアーフィッシングにハマり続けている。週末になると竿をかついで遠方のフィールドまで通っているのだが、近所を散歩していると川の近くで他県ナンバーのクルマに乗った釣り人を頻繁に見かけるようになった。釣り人と話しをしてみると「この川、ランカーサイズが釣れるんですよ」と言うではないか。そう“釣り人あるある“で「遠くに行くと大きな魚が釣れる」という思い込みがあり、徒歩10分の穴場ポイントを見逃していたのである。
自宅から1時間圏内にある公共のキャンプ場が意外と穴場
この現象(あるある)は釣りだけではなく、じつは「キャンプ」にも当てはまる。有名な景勝地などは別の話だが、一般的なキャンプ場であれば近場にも良いキャンプ場が存在していることも多いのだ。最近では都市近郊の市町村が「地方創生」や「地域活性」の事業として、キャンプ場の開設・運営に力を入れ始めている。
少し前までは「青年の森」や「運動公園」などと称して使われていた施設や休遊地を再整備し、キャンプ場として一般に開放し始めているのだ。その市町村の住民や働く人であれば、公園緑地課や専用の申し込み窓口などに申請をすれば格安または無料で楽しめるキャンプ場が増え始め、地方自治体が管理するためにトイレや設備が美しく保たれているのも大きな魅力。
この話を聞いて「知らなかった」という人も多いはずだが、不思議なことにそこはお役所仕事の常。住民に対してアピールが下手というか、施設を作ることが仕事であって、そこから先は……というケースが多い。インターネットで県や市町村、役所のホームページを覗くと思わぬ近場にキャンプ場やBBQ(バーベキュー)が楽しめる施設を発見できる可能性は高い。
穴場な公設オートキャンプ場利用は良いこと尽くめ
最近では大手キャンプメーカーが地方自治体に声を掛け、キャンプ場の候補地を募集するなどキャンプとうムーブメントは大きく動き始めている。テントを張って楽しむキャンプ場はほかの施設とは異なり、初期投資が少なくて済むというのも大きなメリット。財政難に苦しむ地方自治体からすれば「お金をかけずにキャンプで地域活性が図れる」というチャンスは魅力的だ。
近場のキャンプ場が魅力的なのは距離的な問題だけではない。遠くのキャンプ場に行くためには理由を付けては値上げを続ける高速道路を使い、1リッターあたり200円に届きそうなほど高騰しているガソリンを何十リットルも消費しなければならない。
例えば自宅から150km離れたキャンプ場に行くとなれば、往復のガソリン代や高速代で1万円前後の移動経費が必要になる。そう考えると、同じ県内、同じ市内にある施設なら近所のスーパーに行くような気軽さと経費の安さで楽しむことができ、さらには利用料金が格安(無料)なことを考えれば利用しないのはもったいない。それが地元に納めている大切な税金で賄われているとなれば……尚更のこと。