乗り心地の悪さと職質で彼女が幻滅……
最後はチューニングカーで彼女とデートに出かけたC君、1990年代の前半で取り締まりが厳しい時代だった。その日が初めてのドライブということで気合も十分、早朝に洗車し目的地までのルートも頭に叩き込んだ。彼女にはクルマ好きということを最初から伝えており、チューニングカーに対する偏見がないことは確認済み。むしろ興味津々で会話も弾みに弾んだが、徐々に彼女の口数が少なくなってくる。
どうやら硬い足まわりで酔ってしまったらしく、時おり休憩を挟むも原因が解決するワケじゃない。せっかくリサーチした美味しいレストランでの食事も台なし、予定を早めに切り上げ家まで送る途中にダメ押しの事件が起きた。もう少しで到着というタイミングで後方に白バイが登場、イヤな予感は的中するもので停止させられてしまう。
違法改造を疑われバネの遊びや消音器の有無などを厳しくチェックされたものの無罪放免、しかし人通りの多い場所で晒しモノになったと感じた彼女は気分だけじゃなく機嫌まで悪化。2回目のデートは父親に頼み込んでクルマを借りたらしいが、その後C君の愛車に乗る機会はなかったそうだ……。