スーパーGTの現役ドライバーが監督兼アドバイザーとして参画
モビリティリゾートもてぎ(旧ツインリンクもてぎ)にて、ローカル・シリーズ戦であるもてぎチャンピオンカップの第2戦が開催された。もてぎチャンピオンカップとは、プロドライバーを目指す若手から週末を楽しむサンデーレーサーまで、関東近郊を中心としたレーサーたちが集うシリーズで、2022年は全5戦で開催となる。
モビリティリゾートもてぎロードコース (フルコース 4.8km)を舞台に、いくつかのもてぎシリーズ戦とほかのレースを組み合わせたもの。スーパーFJ、もてぎスポーツ(VITAおよびCIVIC)、FIT1.5チャレンジカップを中心に、毎戦異なる編入レースが組み込まれバラエティに富んだレースを楽しむことができる。
このもてぎスポーツVITAに今回あらたに参戦を開始したのが、KF MOTORSPORTというチーム。まっさらな新車のVITA-01を2台持ち込んだ。そのチーム名にある通り、このチームを率いるのが藤波清斗選手である。
藤波選手は、先日開幕したばかりのSUPER GTのGT300クラスに参戦をしているKONDO RACING「#56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R」で、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手と組んでいる。
2020年は同じペアで56号車を駆り、GT300クラスチャンピオンに輝いたドライバーであり、今季の開幕戦・岡山でも優勝を果たしている。その藤波選手は、1995年生まれの27歳になったばかりのドライバーだ。
先日のSUPER GT開幕戦で優勝していることからもわかるとおり、レーシングドライバーとしてまだまだ自身のことに集中するのが普通である。しかし、「たまたまいろんなお話があって、いただけるチャンスがあればやろうということで、いろいろな方にサポートをしていただきつつ、この体制を作りました。セカンドキャリアも考えると、今のうちから活動することも早すぎることもないですし……」という。
「スポンサーのお願いに行ったりすることも、これまでのドライバー個人としての活動とは異なり、違うアプローチとなってこれはすごく新鮮な体験ですし、自分もこのチームでパーツの開発にも取り組んでいこうと思っています。無理を言ってたくさんのサポートをいただいているので、しっかりお返しができるチーム運営をしていきたい」と語る。
競技人口は非常に多いVITAレース
藤波選手が監督兼アドバイザーとして参画する「KF MOTORSPORT」は今季立ち上がったばかりのチームで、まずはVITAのレースに2台体制で参戦。
このVITA-01とは、国内のレーシングコンストラクターであるウエストレーシングカーズが開発した国産レーシングマシン。安全にローコストでレースができるというコンセプトで、トヨタVitz RSの1500ccエンジン(1NZ-FE型)に5速トランスミッションを組み合わせた一台だ。車両価格は400万円を切っている。
VITA-01は登場翌年の2010年から鈴鹿サーキットでのワンメイクレースがスタート。レースは年々拡大していき、現在では国内7サーキット(岡山、鈴鹿、もてぎ、オートポリス、富士、十勝、筑波)でシリーズ戦が開催されている。シリーズ戦の中には耐久レースなども組み込まれており、競技人口は非常に多い。
「周りで自分のレースをやりたいという人も多いです。でもどこからやるの? という話も多かったんです。レースをやりたいという人にピッタリで、僕らもそのモータースポーツを盛り上げる一助となればと思っています。今回乗ってもらう塚田海斗選手(#50 BRM VITA)は昔から知っているドライバーなんですが、彼のように若くて、でも走る場所がなくて苦しんでいるドライバーを引き上げて、そういった選手が羽ばたいていってくれればと思う」と語る。
ちなみに、もう一台は藤波選手のスクールには欠かさず参加するほど走りに対して真面目に向き合っているレジェンドドライバー、NAOKINEN選手(#51 BRM VITA)。レースは初という。