悪路走破性はヴェゼルとヤリスクロスが優位
アウトドアへのドライブともなると、場所によっては多少の悪路を走らなければならないケースもあるだろう。その点では、最低地上高は全車170mm前後だから、本格SUVほどではないにしても、一般的な乗用車の150mm前後に比べれば安心と言える。
しかし、ヴェゼルとヤリスクロスはFFに加え4WDが選べるのに対して、キックスだけはFFのみの設定。この点でアウトドア適性が高いのは、ヴェゼルとヤリスクロスということになる。どちらも悪路走行体験済みだが、クロスオーバーモデルとしてはなかなかの走破力の持ち主と言っていい。
快適さに重点を置くならヤリスクロス
しかし、アウトドアでの楽しみ、快適さをより広げてくれるという点では、ヤリスクロスのHVモデルに注目だ。理由は3台中、唯一、AC100V/1500Wコンセントの用意があること。車内外でコーヒーメーカーや簡易電子レンジなどの家電品が使え、その便利さはアウトドア(災害時も)でこそ威力を発揮してくれるからである。
まとめ
というわけで、荷物の積載力ならキックス、ラゲッジルームの開口部に唯一段差のないヤリスクロスだが、アウトドアフィードでの走破性(冬季の雪道を含む)では4WDが選べるヴェゼルとヤリスクロスが優位に立つ。
しかし、車中泊まではしなくても、アウトドアで後席を格納して昼寝がてら少し横になりたい……というケースの場合。一見、ラゲッジルームの奥行でリードされるヴェゼルも、後席ヘッドレストを逆につけて枕代わりにした状態でのベッド長は1660mmにも達し、身長170cm程度の人なら真っすぐに横になれる点は歓迎でき、筆者の結論は、ヴェゼルかヤリスクロスの二択となる。
走りの洗練度で評価するならば、ヴェゼルは4WDが圧倒的に良く、しかしヤリスクロスはFFのHVがベストというのが、試乗経験からの結論だ。
筆者の個人的な好みでは、基本、街乗りや高速走行。たまのアウトドアということなら、荷物の積載は多少、工夫するとして、都市部やリゾート地でも際立つデザインのヴェゼル4WDのHV、そのアウトドアに溶け込むサンドベージュ、またはプレミアムサンライトホワイトパールのボディカラーが理想である。