純正部品は続々と手に入らなくなっている……
根強い人気を誇る1990年代の国産スポーツを維持する上で、一番ネックになるのは純正補修部品の製廃(製造廃止)。車体の製造終了後、20年以上経っているネオクラ世代のスポーツカーは、もう新品では買えない部品が多数出てきている。走り続けるための重要部品に関しては、再供給が始まっているパーツも出てきてはいるが、一方で内装のシートやフロア、内張りといった装飾部品のほか、限定車専用部品などはどんどん打ち切りとなっているものも多い……。
そういう意味で、新車当時の姿、オリジナル状態にこだわるオーナーは、純正パーツが手に入るうちにバックアップ部品を購入しておくか、予防的にあえてアフターパーツに交換し、純正パーツを温存しておくことを考えておきたいといいだろう。そんな今後入手しづらくなりそうなパーツで、温存がおすすめのパーツをいくつか具体的にあげてみよう。
シート
純正シートもわりと早いタイミングで製廃になってしまう部品のひとつ。レカロやブリッドなど、純正シートよりホールド性がよく、疲れにくい社外品もたくさんあるので、純正シートが製廃になっても困ることはないが、ノーマルの雰囲気を大事にしたいのなら純正シートは欠かせない。
表面がすり切れたり、色褪せたり、ウレタンがヘタったりする前に、フィッティングのいいシートカバーを被せたい。また保管しておく場所があるなら、早めに社外品のシートに交換し、純正シートはキープしておくのが良策だ。
ステアリング
ステアリングの表皮も長年使っていると傷んでくる。ナルディやモモなど、アフターパーツのステアリングにもいい製品がたくさんあるので、ホーンボタンなどにロゴが入っているオリジナルのステアリングにこだわりがある人は、純正品をもうひとつ買ってとっておくか、普段は社外品のステアリングを装着して、純正品は大事にとっておくといい。
シフトノブ
純正品が本革製の場合、ステアリング以上に傷みが早くツルツルになりやすいのがMT車のシフトノブ。社外品で本革、チタン、ウレタン、ジュラコン、アルミ、カーボン、デルリン樹脂などといろいろな製品が出ているので、どれでも好きなものを選べばいい。オリジナル派は純正品が製廃になる前に、もうひとつ入手しておくと安心!?
フロアマット
フロアマットもじつは消耗品。最近は社外品でも車種専用のクオリティの高いマットが販売されているので、傷んだらそれを使ってリフレッシュするのもひとつの手だ。純正にこだわりたいのなら温存しておくか、もうワンセット買っておくのが吉。ただし、ディーラーオプションなので新車の販売が終了すると、在庫限りですぐに購入できなくなってしまう……。
ペダルゴム
ペダルのゴムも汎用品なら困ることはないが、ロゴなどが入っている純正品はスペアを用意しておきたいところ。純正品の上にアルミカバーなどを被せる方法もあるが、ゴム製の方が使い勝手がいい場合が多い。
ホイール
ホイール交換はカスタマイズの第一歩で、純正品より社外品の方が人気がある場合が多いが、ネオクラシックになってくると、純正ホイールに価値が出てくる。社外品に交換するときも、純正ホイールを売りに出さずに持ち続けているのがいいかもしれない。ただ盗難などの心配もあるので、保管場所はよく考えて。
マフラー
マフラーも消耗品であり、チューニングの定番でもあるので、純正マフラーをとっておく人は少数派だ。それだけに10年20年経つと純正マフラーが貴重品になって価値が出てくることも!?
ダンパー
乗り味の決め手になるという意味で、ダンパーも意外に重要。社外の車高調などを装着するときは、純正サスを処分せずにとっておくのもいいかもしれない。ただしダンパーの寿命は4万kmぐらいなので、保管用にするのなら2万km以内、もしくは製廃になる前に新品をワンセット購入しておくのがいい(スプリングは基本的にヘタらない)。