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タイプRはやっぱり本物の走り系だった! カタログの「キャッチコピー」を読んだだけで血の温度が上がる

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎七生人/本田技研工業

シビック・タイプR:「TRY! HONDA RACING SPIRIT」

 そして日本市場へはタイプRシリーズの3番目として1997年8月に投入されたのが、「シビック・タイプR」の記念すべき初代モデルだ。カタログを開くと最初のページから「走行シーン」なのが印象的で、文面も少し長いが引用しておくと「レーシングカー開発の手法を用いた、TYPE Rである。チューニングという最もノウハウが要求される領域で、ホンダの技術と情熱が結実した。その走りの系譜は、いまホンダの原点ともいえるクルマ、CIVICにも受け継がれたのである。」とある。

1997年8月登場のシビック・タイプR

 本文14ページ中で、いわゆるメカニズム紹介に割かれているのは4ページだが、それだけにポイントを簡潔に抑えた構成だ。リッター116psの185psをモノにした「スポーツエンジン1.6L VTEC」の「B16B 98 spec.R」の紹介に始まり、4輪ダブルウイッシュボーンサスペンションのロール剛性が高められた話。続けてインテグラ・タイプRと同様のメカニカル式トルク感応型ヘリカルLSDの採用、フロント15インチ、リヤ14インチの大径4輪ディスクブレーキ、専用タイヤ&アルミホイール、さらにチタン製シフトノブ、レスオプションとして用意されるエアバッグなしのMOMOのステアリングの紹介などもある。

メカニズムの紹介はわずか4ページ

 カタログをタブレットで見せられるようになってしまった今となっては懐かしい、シビック・タイプRに乗りたいと思うファンが、胸をときめかせながら寝ても覚めても一字一句漏らさず眺めていたい……そんな紙のカタログに仕上がっている。

胸をときめかせて読める紙のカタログ

12
  • NSX-Rは1992年11月登場
  • 軽量化を徹底
  • NSXはもともとアルミボディ
  • 1995年8月登場のインテグラ・タイプR
  • エンジンには赤いカムカバー
  • 赤いアクセントが誇らしげ
  • 1997年8月登場のシビック・タイプR
  • メカニズムの紹介はわずか4ページ
  • 胸をときめかせて読める紙のカタログ
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  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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