わかったつもりでじつは正しく理解していないクルマ用語集
クルマ用語というのは意外に難しく、なんとなくはわかっているつもりでも、じつは曖昧なままやり過ごしてきた言葉も少なくない。今回はそうしたクルマ用語の意味をきちんと整理してみよう。
理解したつもりでいるクルマ用語01:
「ハイデッキ」
ハイデッキとは、セダンやクーペでノーズやボンネットに対しトランク部分を高くしたスタイリングのこと。ボディの前後に高低差を設けることで前傾姿勢を演出し、スポーティ感を与え、トランクスペースを広くとれるというのがメリット。バスだと、景観をよくするために客室を高い位置に配置したハイデッキカー=ハイデッカーというのがある。
理解したつもりでいるクルマ用語02:
「スラントノーズ」
スラントノーズとは、クルマの前方部分(ノーズ)を、空気抵抗を小さくするため後ろに傾けたデザイン処理のこと。「スラント」とは傾けることを意味している。かっこいいクルマに欠かせないエレメント(要素)のひとつである、「スラッと尖った長いノーズ」≒「スラントノーズ」と覚えておけば忘れないだろう。ちなみに昔のBMWや三菱のギャラン&ディアマンテのように、ボンネットの先端がグリルの下端よりもせり出しているようなスタイルは「逆スラントノーズ」と呼ばれる。
理解したつもりでいるクルマ用語03:
「リトラクタブルヘッドライト」
リトラクタブル(Retractable)とは、「引っ込められる、伸縮自在の」という意味。日本語では格納式前照灯と呼ばれ、かつてはスポーツカーのアイコンとして愛されていた。消灯時、ヘッドライトはボンネット内に隠れていて、点灯するとヘッドライトユニットの前縁が持ち上がってくるのがオーソドックスなスタイル。同じ格納式ヘッドライトでも、消灯時にライトのレンズが上を向いていて、点灯時に前方に向かっておき上がってくるポップアップ式ヘッドランプ(ランボルギーニ・ミウラやポルシェ928など)とは区別される。
理解したつもりでいるクルマ用語04:
「サッシュレスドア」
サッシュレスドアとは、ドアガラスが昇降する際にガイドになるサッシュ=窓枠を持たないドアのこと。窓枠やセンターピラーを無くすことで、側面のデザインがスタイリッシュになり、窓を開けたときの開放感も大いに増す。国産車ではスバルが好んで採用し、1970年代のレオーネからサッシュレスドアを取り入れていた。
理解したつもりでいるクルマ用語05:
「ハードトップ」
クルマのボディタイプのひとつ。オープンカーの幌=ソフトトップをスチール製(樹脂製)のルーフに置き換えたようなスタイルから「ハードトップ」と呼ばれるようになった。元々はセンターピラーのないクーペ=「ハードトップ」だったが、センターピラーレスの4ドアも「ハードトップ」に含まれるようになった。
理解したつもりでいるクルマ用語06:
「ファストバック」
ファストバックとは、クルマの形状の一種で、ルーフからリヤエンドにかけてなだらかに傾斜するルーフラインが特徴のクルマ。FC3S型RX-7や180SX、A70型スープラなどがその代表格だ。
理解したつもりでいるクルマ用語07:
「ノッチバック」
ノッチバックの「ノッチ」は「折れ」「段差」という意味。クルマを横から見たとき「凸」のカタチで、エンジンルーム、キャビン、トランクルームの3つの区別がはっきりしたスタイルのクルマのこと。いわゆる1ボックス、2ボックスに対する「3ボックス」が「ノッチバック」と考えればいい。セダンの典型的なスタイルで、ノッチバッククーペもある。
理解したつもりでいるクルマ用語08:
「シザーズドア/ガルウイング」
「跳ね上げドア=ガルウイング」と思っている人も多いだろうが、厳密にいうとガルウイングの代表格的存在となっているランボルギーニ・カウンタックのドアは、ガルウイングではなく「シザーズドア(シザードア)」と呼ぶのが正しい。カウンタックのように車体側面から垂直に、ハサミ(シザー)が開いたときのような開き方をするのは「シザーズドア」。対してガルウイングは「カモメの羽」という意味なので、デロリアンやAZ-1、メルセデス・ベンツSLS AMGなどのドアのことを指す。ちなみにフェラーリのラ・フェラーリやマクラーレン720S、BMW i8、トヨタ・セラなどのドアは、「バタフライドア」だ。