値段重視では満足する性能が得られないことも……
いくら大好きなクルマ遊びでも使えるお金には限度がある。誰だってチューニング費用やランニングコストは安いほど嬉しく、ついつい『激安』といったキーワードに目を奪われてしまう。
確かに安いからといって品質が悪いとは限らず、必要にして十分というケースも決して少なくない。しかし、クルマは自分の生命を乗せて走る機械であり、他人に対しての凶器となる可能性もあり得るのだ。値段に釣られてケチると絶対に後悔する、そんなパーツをいくつか紹介してみたい。
ブレーキ関連はできる限り新品を投入したい
筆頭というべきはブレーキ系。純正のままサーキットを本気で連続アタックする人はいないと思うが、社外品といえども想定しているステージやローターの適正温度域、パワーや車重とのマッチングはよく考えて選ばないと痛い目に遭う。
以前「先輩にもらった」という中古パッドでサーキットを走り、わずか数周でパッドが剥がれてしまったシーンを見たことがある。前の持ち主がアタリも付けないままサーキットで酷使した、ダクトなど熱対策が皆無だったと原因はひとつじゃないが、安全に大きく影響を及ぼすパーツなので中古は避けよう。
パッドだけじゃなくローターも同様。研磨できるのはメーカーが指定する厚さまでというのは当然だし、サーキットを走るなら可能な限り新品に交換してほしい。研磨すれば見た目はキレイになりジャダーも消えるだろうが、ローターが薄くなればなるほど熱を帯びやすいのは自明の理。パッドとローターは同時に交換が理想ということを覚えておこう。
タイヤ代を抑えても交換工賃などが高くつことも
続いてはタイヤ。近年は海外製のパフォーマンスが著しい進化を遂げており、昔ほど「国産じゃなきゃ絶対にダメ」とはいえなくなった。とはいえ、215/45-17でブランドを問わず価格をチェックしてみると、4本セットで最安値と最高値では驚くことに20万円を超える差だ。
モチロン街乗り用なのかサーキット用なのか、ブランド力によっても大きく異なるだろうが、過酷な使い方をするならそれに見合ったタイヤが必要。しかも交換は組み替えやバランスといった工賃が発生し、安いタイヤだからといってトータルコストはそれまで安くなるワケじゃない。大事な愛車のポテンシャルをサーキットで思い切り、不安なく味わうためにもタイヤには妥協したくない。