先進運転支援機能+αの機能を持ち合わせたクルマを紹介
人間、歳を取ると運転もおっくうになり、注意力も散漫になりがちだ。若いころは運転が好きで上手でも、やはり歳にはかなわない。そこで、まだ運転を楽しみたい、ドライブを満喫したいという高齢の親に薦められるクルマを紹介したい。
ポイントはまず、コンパクトなサイズであること。コンパクトなクルマであれば、運転席に座った瞬間から運転のしやすさを実感しやすく、狭い道やすれ違いでも走りやすいだけでなく、小回り性の良さと相まって、駐車もしやすくなるのである。よって、日本の道や駐車環境では、5ナンバーサイズのクルマが高齢者にやさしく、第一条件となるだろう(ここでは軽自動車は除外)。
だが、コンパクトなクルマならなんでもいいわけじゃない。やはり、安全であることが求められる。先進運転支援機能はもはや必須であり、さらに万一の際のプラスアルファの安心もほしいところだ。ここではそうした”基準を”満たした高齢者の親にぴったりの3台をピックアップしてみた。
ホンダ・フィット
まずお薦めするのが、ホンダ・フィットだ。低床パッケージで乗降性は文句なし。驚異の極細Aピラーによって前方、斜め前方の視界もまた抜群で、もうパノラミックと言えるほど。運転席に座った瞬間から運転のしやすさを実感できるに違いない。
もちろん、先進運転支援機能のホンダセンシングは全グレードに標準装備。衝突軽減ブレーキをはじめ、誤発進抑制機能、壁などへの衝突被害を軽減してくれる近距離衝突軽減ブレーキ、歩行者事故低減ステアリング、車線維持支援システム、標識認識機能など満載している(ACCも)。
それに加え、フィットの高齢者向けお薦めポイントとなるのが、ホンダ・コネクトによる緊急サポート。頭上の赤いボタンひとつでセンターにつながるほか、エアバッグが展開するような場面ではオペレーターに自動通報。いわゆるSOSコール機能が用意されていることだ。
さらに青いトラブルサポートボタンもあり、クルマのトラブルで困っても対応してくれるのである。「Honda Total Care」の加入、「Honda Total Care プレミアム」の申込みが必要だが、高齢者にとっても大きな安心になるため、ぜひ加入、申し込みしたいところだ。
日産ノート
2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞の日産ノートも高齢者ドライバーに優しい5ナンバーサイズのコンパクトカーだ。
パワートレインはハイブリッドのe-POWERのみとなり、高齢者の財布にやさしい燃費性能に優れるほか、ドライブモードによってワンペダル走行も可能。ブレーキペダルを頻繁に踏まずに済む点も高齢者の足腰への優しさになる。
加えて、ノートにはプロパイロット、SOSコール、オペレーターサービスなど、先進的な運転支援機能、つながる安心も用意されている。高齢者の親向けにノートを選ぶのであれば、ぜひ、日産コネクトナビを装備し、緊急時の通報はもちろん、走行中のスポット紹介、目的地設定の遠隔操作まで行ってくれるオペレーターサービスを利用できるようにしておきたい。
その安心感は、運転する高齢者本人だけでなく、ドライブに出かけた親を家で待つ家族にとっても絶大なのである。
トヨタ・アクア
安心を先進機能で支え、燃費性能にも特化したコンパクトカーがHV専用車のトヨタ・アクア。
その安心機能のひとつが、ヘルプネット。事故や急病時からあおり運転困ったときなど、専門オペレーターにボタンひとつで接続でき、警察への連絡や緊急車両の手配を行ってくれるのだ。
また、「快適ペダル」も装備し、ドライブモードスイッチをPOWER+にセットすると、いわゆるワンペダル走行も可能。ペダルの踏み替え頻度が減るため、ドライブはより快適かつストレスフリーになりえる。また、先進運転支援機能のトヨタセーフティセンスは交差点での検知にも対応している。
ぶつからないサポートをしてくれるほか、パーキングサポートブレーキによっては、アクセルの踏み間違いや周囲との衝突などの被害を緩和、低減してくれる。注意が散漫になりがちな高齢者にうってつけの機能と言えるのだ。
ちなみに、アクアの場合はXグレード以上を選ぶのが基本。それにブラインドスポットモニター+上記のパーキングサポートブレーキをオプションで付けることで、高齢者の親にとってより安心なクルマになる。ブラインドスポットモニターはレーンチェンジのときなど、他車との接触事故を未然に防いでくれる効果があり、これまた高齢者ドライバーの安心を高めてくれる機能となりえるのだ。
オプション料金は必要なものの、そこをケチってはいけない。Xグレード以上と言ったのは、そうしたオプションが付けられるグレードだからである。