最新の先進安全装備と20km/L超の低燃費は
新型ノア&ヴォクの捨てがたい魅力
ヴォクシーが優れているのはまず駆動方式で、E-Fourは後輪をモーターで駆動するタイプで4WDとなるから雪道などでの発進性能が優れている。もちろんハイブリッドだからWLTCモード燃費も勝る。4WDのS-Z・E-Fourは22km/Lで、アルファードSは2WDでも10.6km/Lに留まる。つまりヴォクシーハイブリッドの燃料代は、アルファードの半額以下だ。また、安全装備も異なる。設計の新しいヴォクシーの衝突被害軽減ブレーキは、右左折時でも直進してくる対向車や横断歩道上の歩行者に対応するが、アルファードにこの機能はない。
また、ヴォクシーはハイブリッドの最上級グレードだから、100V・1500Wの電源コンセントも標準装着する。これはハイブリッドカーならではの装備で、条件に合えば電子レンジなども使えるから災害時にも役立つメリットも大きい。さらにオプション装備も充実しており、例えば電動スライドドアが開きかけているときに、周囲に車両や自転車が接近すると、作動を止める安全機能も採用している。
シートアレンジも、ヴォクシーであれば、3列目シートのレバーを引くと自動的に持ち上がる。そして3列目をサイドウインドウ側に押し付けるとロックするから、片手だけで格納させることが可能。以上のように装備の充実度と先進性はヴォクシーの圧勝だ。
【結論】プライオリティをどこに求めるかで
選択肢は真っ二つに分かれる!
その半面、車内はアルファードが格段に広い。身長170cmの大人6名がヴォクシーに乗車したとき、2列目シートに座る乗員の膝先空間を握りコブシふたつ分に調節すると、ヴォクシーの3列目に座る乗員の膝先空間は握りコブシひとつ半だ。それがアルファードでは握りコブシ4つ半に達する。アルファードの3列目シートは2列目シートに対して座り心地のボリューム感が乏しく、床と座面の間隔も不足しているからどうしても足を前方へ投げ出す座り方になってしまい、1/2列目に比べると快適性は劣る。ただし、エマージェンシー的な要素もヴォクシーの3列目シートと比べると圧倒的に広く快適なものではあるが……。
またアルファードは、インパネなど内装の作りが上質で、乗り心地も快適だ。質感や高級感に関わる機能やデザインは、設計の新しいヴォクシーを上まわる。結論としては、アルファードは発売から7年以上を経過しており、総合的な推奨度はヴォクシーが勝る。しかし立派な見栄えや重厚な乗り心地を重視するなら、アルファードを選ぶ余地も残っている。