手を加えれば楽しさ倍増!
ノーマルではそこそこでもチューニングすると輝く素材となるそんなエンジンも存在する。今回はそんないじったからこそ光る、チューニング向きのエンジンをご紹介しよう。
チューニングしなければお世辞にも褒められないRB26
90年代から現在まで、モータースポーツもチューングも支えてきたのが日産が誇る名機RB26だ。その名の通り2.6Lの直列6気筒レイアウトから生まれる溢れ出すトルクは……あまりない(笑)。
RB26はいじってこそのエンジンであり、磨くだけ伸びる。磨く前は大したことないというか、結構しょぼいのがRB26でもある。2.6Lとは思えない細いトルク。かといって高回転がすごいかというとそうでもない。ディスりたいわけではないが、フルノーマルではそんなものなのである。
しかし、豊富にラインアップされるパーツでチューニングすると激変。排気量を2.8Lにしてトルクを底上げし、さらにHKSから発売されているVカムで可変バルブ機構を追加。これだけでグッと中間トルクが増す。高回転は3L近いエンジンでは信じられない9000rpmを許容。そこそこ排気量のあるターボエンジンなのに、回すとエンジンが唸り、淀みないパワーが出る。そりゃ、チューナーも魅了されるわけである。
ノーマルはそよ風のような加速の4A-G
AE86のエンジンとしてあまりにも有名な4A-G。しかし、頭文字Dでもその遅さはネタにされていたが、決してパワフルなエンジンではない。1600ccだからそんなもんと思いたいところだが、シビックタイプRのB16Bはノーマルで4A-Gのフルチューン並みのパワーが出ている。まったく太刀打ちできない。
のちに16バルブから、当時ヤマハの技術で流行っていた20バルブ化されてややパワーアップしたが、それでもB16Bには敵わない。しかし、エンジン内部からチューニングしていくと、それなりのパワーは出てくる。それに、ノーマルで7000rpmそこそこしか回せないエンジンを8000rpmオーバーまで回せるようになると、なんとも言えない高揚感が生まれる。回す気になる気持ちの良いエンジンなのである。
頭文字Dのように1万1000rpmはさすがに難しいが、9000rpm近くまで回して伸びるエンジンに仕上げることは可能。そうなると、速さはそこそこだが、格段に気持ちよくなる。それもまた魅力なのである。