ボディのサビは徹底的にチェック
ジュリア・シリーズは基本コンポーネンツが一緒なので、どのモデルを購入しても機関系はリセットしやすい。だが、ボディがダメだと後々相当な出費を強いられる可能性があるので、買うときに車体のサビ具合を徹底チェックしてほしい。
フェンダーの裏側に手を入れ、鉄板の折り返し部分を触ってみて手が切れそうなぐらい鋭利だったら、そのクルマはボディがしっかりリペアされているのでオススメだ。その一方で、ドラえもんの手と握手しているかのような丸い感触だったら、パテでフェンダーのカタチが造られているだけかもしれないのでパスしたほうがいいだろう。ショップの店頭で、あからさまにフェンダーの裏側に手を入れるとイヤらしいので、くれぐれも店員さんに気づかれないように、さりげなく実践していただきたい。
ジュリア・シリーズのフェンダー後部は雨の日にタイヤが巻き上げた水および泥などを見事に取り込んでしまう形状になっている。そのため、この部分からジワジワ腐り始めるわけだが、購入時にはぜひともフェンダー後部を手で触ってみて鉄板の存在も確認してほしい。程度の悪い個体は、この部分にアンダーコートを大量に吹き付けていたり、パテを盛大にもっている可能性があるからだ(鉄の感触だったらOKである)。
また運転席および助手席のフロアマットを持ち上げ、サイドメンバーとフロアの付け根部分の腐りを見る。フロアがあまりにも腐っている個体は結構厳しい扱い方をされてきたということなので、パスしたほうがいいだろう。なお、ジュリアのクラッチは自動的に調整される仕組みになっているので、基本的にフィーリングが変化することはないと思っていい。もしも変化したら、それはトラブルの前兆だ。
シートに反発力があるのかも重要なチェック項目
長距離を走っても疲れを感じさせないジュリアのシートは、非常に完成度が高い逸品だといえる。クルマによってはシートの表面だけがキレイで、内部のスポンジが終わっていたりするので、購入する際は試しに座ってみて、シートに反発力があることも確認しておいたほうがいいだろう。
シートの確認時にドアを開けたら、下側を持ちながら上下に動かしてみて、ガタがないことも確認したい。そして、ウインドウのレギュレターがスムースに動くのかどうかということも同時に確認しておこう。
乗り降りするときや手でクルマを押した際にギシギシ音が聞こえたら、ロアアームのブッシュがダメになっているということだ。もちろん、購入後交換できるが、最初からブッシュがしっかりしている個体をチョイスするほうが、なにかといいだろう。ブレーキング時にクルマが左右にブレる感じがしたら、これまたブッシュがダメになっているということである。ダンパーの交換時期も、ギシギシ音が教えてくれるので注意したい。
ガソリンタンクが腐っていないか? 要チェック
トランクルーム内でまずチェックしたいのが、ガソリンタンクの腐りである。もなか状になっているガソリンタンクは合わせ目の部分が腐っていると満タン状態で漏れるので、この部分の腐りの有無も入念にチェックしたい。ガソリンタンクの漏れはコーティング剤で修復可能だが、できることなら最初から腐っていないガソリンタンクを持つ個体をゲットすべきだ。
エンジン始動後、しばらくすると静かになるが、どこからともなくカタカタカタという音が聞こえてきたら、そのエンジンは万全ではないということである。また、アイドリング時にオイルフィラーキャップを外し、手をかざしてみて、どのぐらい圧が来るのかをチェック。圧が来ているということは、コンプレッションが落ちている証拠なので、そのエンジンも敬遠したほうがいいだろう。
異音やクルマの変化に気がつければ大きなトラブルを回避可能
デフは基本的に丈夫だが、バックラッシュが大きくなってくるとスタート時にショック(タイムラグ)が発生し、また、カキーンという異音が聞こえるようになる。そのまま乗っているとトラブルにつながるので、購入時に試乗することができたら、感覚を研ぎ澄ませ、デフの状態を探ってほしい。なお、発進時にドドドという音が聞こえたらプロペラシャフトの十字ジョイントの遊びが大きくなっている可能性大だ。
基本設計が優れているジュリアは、オリジナルの状態を維持していけばOK(壊れないし、楽しい)なので、購入する際はノーマルの状態を保っているクルマをターゲットにするといいだろう。クルマの変化をつねに感じ取っていれば、ビッグトラブルを未然に回避することは容易である。