整備不良で違反になることもあるウインカーのハイフラ現象
クルマのウインカー速度は道路運送車両法の保安基準によって、1分間で60回以上〜120回以下の一定速度で点滅をするよう定められている。これ以上の回数で点滅する場合は保安基準違反となり整備不良に該当する交通違反になる場合も。ひと昔前であれば、街中でウインカーが高速点滅(ハイフラッシャー=ハイフラ)しているクルマをしばしば見かけることがあった。
消費電力の低下によってハイフラッシャー現象が起きる
このハイフラの原因は、ほとんどがウインカーバルブの球切れによるもの。通常クルマには前後左右にそれぞれウインカーが装備されているが、平均的にフロント、サイド、リヤの片側3カ所であることが多い。このウインカー数に合わせて前述の保安基準を満たす点滅回数になるよう、ウインカーリレーが消費電力をもとに装備されている。
これがひとつでもバルブ切れを起こすと、3つの電球のうちふたつだけが点滅することになり消費電力が少なくなる。そのため装備されているリレーの設定消費電力を下まわることで点滅が早くなるのだ。点滅が早くなることは、ドライバーに球切れを気付かせることにも有効な現象である。
ウインカーの点滅が周囲から確認できない場合、右左折や車線変更など、周囲に自車の動きを伝えることができず、ストップランプやテールランプ、ヘッドライトの球切れや無灯火と同じように、交通安全を鑑みても非常に危険な状況となる。
純正のハロゲンバルブをLEDに交換する場合も要注意!
ちなみに、電球タイプウインカーのクルマにLEDバルブをそのまま付けた場合も、電球よりも消費電力が低くなるためハイフラとなる。この消費電力は片側ずつに設定されているため、右のバルブが切れても、左のウインカーの作動には影響がない。どちらかのウインカーが早くなっている場合は、球切れしているバルブがどちら側なのか確認することも容易だ。
ハイフラを見かけなくなった理由はLEDウインカーが普及したこと
最近ではこのハイフラとなっているクルマをあまり見かけなくなったが、理由のひとつは標準装備のウインカーがLED式となり球切れが起こりにくくなったこと。社外品のLEDバルブへ交換する場合も、バルブに同梱または内蔵される抵抗により、電球のバルブと同じ消費電力となるように設計されていることや、LEDバルブにした際に低くなる消費電力に合わせたウインカーリレーなどが発売されているため、ドレスアップユーザーに広く認知されたことも理由といえるだろう。
灯火類の基準は道路交通法で定められているように、非常に重要な部品。球切れや無灯火など、周囲に確実に自分の意思表示を伝えるものなので、ウインカーがハイフラ点滅していることに気が付いたら、すぐにバルブ交換して対処するようにしたい。