’90年代に一世風靡した本格派クロカンモデルがにわかに高騰中
いまどきの若者には新車とか最新型といったキーワードはあまりピンとこず、むしろ自分の価値観にあったクルマなら旧車やチョイ古なクルマでも、お構いなしに選ぶ傾向にあるようだ。そんなクルマ購入のスタイルはお洒落にアウトドアを楽しむユーザー層にもしっかり根付いているようで、中古車のなかからスタイリングやパッケージングでお気に入りのクルマを見つけて、自分だけのアウトドアライフを楽しんでいるユーザー層も多い。なかでもアウトドア向きの車両が数多いのが’90年代からRVブームに販売されていた車両群だろう。
ラダーフレーム採用の本格4WDミニバン
「デリカスターワゴン」
[1986年6月19日発売/平均相場161万7000円/価格帯78万円~258万円]
なかでも、今となってはかなり無骨でオフロード色が強いことから注目を集めるのが、3代目デリカとして登場した三菱のデリカスターワゴンだ。四角四面のボディで、当時としても珍しい1BOXの本格派オフローダーとしてもてはやされた。輸出モデルもあったりするなど、仕様もグレードもさまざま。国内仕様は1999年まで製造されていたので、今も中古車市場に多く出まわっているため、見たことがあるユーザーも多いのではないだろうか。
三菱の4駆の看板モデルだったパジェロに対して、アウトドアレジャーで使いやすい室内サイズがあったこともヒットの理由だろう。今も子孫とも言えるデリカD:5が継続して販売されているのを見ても、多くのユーザーに長く愛されていたことの証だろう。
アウトドアエクスプレスとして大ヒット!
「デリカスペースギア」
[1994年5月12日発売/平均相場94万3000円/価格帯27万円~299万円]
スターワゴンを取り上げたら忘れてはいけないのが、三菱デリカスペースギア(4代目デリカ)だ。4駆ブーム真っ盛りの’90年代半ばとなる1994年に登場。ハナの出た1.2BOX形状のモデルとして、4駆のなかでもとくにファミリー層に支持されたクルマだった。
その理由は、当時はまだミニバンと呼ばれるジャンルが確立していなかったため、多人数乗車、3列シート、広い車内サイズを兼ね備えたクルマはほとんどなかった。そんなところにパジェロベースの4駆でスペースユーティリティに優れたスペースギアが発売されたことで、多くのユーザーが飛びついたのだった。
前出のスターワゴンと併売されていたのも特徴で、よりヘビーデューティな使われ方をしたスターワゴンに対し、アウトドアレジャーに活躍の場を広げたスペースギアという棲み分けができていたのも、4駆ブームの産物だった。