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樹脂製バンパーも修理が可能に! ヤナセがクルマのリペアとメンテナンスで新たな技術を提案

クラシックカーのリペアに関する技術を展開

 先ごろ行われたオートモビルカウンシル2022では、輸入車の販売でお馴染みのヤナセと、同社が運営する旧車レストアのスペシャリスト、ヤナセクラシックカーセンターがブースを出展。ご自慢のヒストリックカーに加えてクルマのリペアに関する技術と、メンテナンスに関しての製品の技術展示/実演が行われていました。

樹脂製のバンパーも見事に“再生”

 昨年まで、カーカプセルの展示(実演?)が印象的だったヤナセ/ヤナセクラシックカーセンターのブース。今回はそうした展示もなく、メルセデス・ベンツとVWゴルフ、計8台のレストア車両が並んでいるだけに思えたのですが、展示車両の裏というか壁際には技術展示のコーナーが設けられていました。まずはクルマのリペアに関しての技術展示から紹介しましょう。

 クルマのバンパーが樹脂製に変わって行ったのはいつごろのことだったでしょうか。もう随分久しいのと思うのですが、この間に随分と技術は進歩してきて、形状記憶というのかぶつかって凹んだものが、時間が経つと、まるでぶつけたことが嘘のように元の形状になっているバンパーも登場しています。

 もっとも、バンパーは元の形状に戻っても、その上下にあるトランクリッド(あるいはハッチゲート)やエプロンはスチール製パネルで、こちらは残念ながら形状記憶合金ではないから、事故の傷跡が生々しく残ったまま……。街なかでそんなクルマを見るたびに、あらためて技術の進歩に驚かされるのですが、でも折れたり、欠けてしまうようなこともあるはずです。

 幸いにも自分のクルマでバンパーが欠けたり折れたりという経験がないので、これは人から聞いた話になるのですが、ディーラーに修理に持ち込むと、凹んだトランクリッドなどのスチール製のパーツは板金屋さんに修理を依頼するのですが、樹脂バンパーは新品のパーツに交換することになるそうです。

 ここから先も聞いた話ですが、外されたバンパーはリサイクルに回されるのですが、そのリサイクルでは廃棄されたバンパーから、同じバンパーを再生するのは難しいとされ、フロアマットに作り替えられたり、燃料として、つまり熱エネルギーに変改して取り出す(利用する)のが一般的となっています。

 これは言うまでもなく理想的なリサイクルとは言えません。ならば廃棄するのではなく修理したら? そう思うのも当然ですが、やはり樹脂バンパーの修理は難しかったようです。ところが樹脂を溶接する技術が開発され、実用化もされているのです。

 今回、ヤナセ/ヤナセクラシックカーセンターのブースでは、窒素シールドプラスチック溶接機が持ち込まれ樹脂製のバンパーを修理する実演が行われていました。窒素を使うことでプラスチックの加熱時に酸化することがなくなるため、強度と柔軟性を保ったまま修復することが可能になったようです。また溶接による接着だけでなく、欠けてしまっているような場合は、部分的にパーツを新たに起こして接続することもあるそうです。そんなときには3Dプリンターでパーツを部分的に作り出して使用。感覚的にはもう“何でもできる!”状態のようです。

水をほとんど使わない洗車って?

 ヤナセ/ヤナセクラシックカーセンターのブースでもうひとつ興味深かったのは、ほぼ水無しで洗車できる「ほぼ無水DE洗車」の実演コーナー。多くの場合、ガソリンスタンドのドライブスルー式を使っている愛車の洗車。なのであまり実感としてはないと思いますが、実際には多くの水が使われていて、それがそのまま排水として下水管に流されています。

 それがこの「ほぼ無水DE洗車」を使用すると、文字通りほぼ水を使わずに洗車できるというのです。その仕組みはこうです。液体状の「ほぼ無水DE洗車」を水で15倍に薄めた希釈液をつくり、それを噴霧器でボディに吹きかけます。

 それを「水拭きクロス」でふき取った後に『乾拭きクロス』で仕上げます。こうすることで汚水や排水の排出量はほぼゼロになり、約50Lの水道水が節約できます。また液剤に配合されているのは天然成分だけなので、一般的な洗剤に比べて自然にも優しい、と良いこと尽くめ。残念ながら、ヤナセ/ヤナセクラシックカーセンターのブースで実演が行われていた「ほぼ無水DE洗車」は業務用で、一般ユーザーには販売されていないとのことでした。

 オートモビルカウンシルの会場には、ほかにも洗車だけでなくコーティングのスペシャリストも出展していたので、普段はまったく気にせずにクルマは庭先に停めっ放しにしているずぼらなオーナーも、もう少しクルマに気配りしてやらねば、と思った次第でした。

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