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悪あがきは被害拡大に繋がる! クルマでスピンしたら「止まるまでフルブレーキ」が鉄則だった

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

ドライバーにできることはブレーキをしっかり踏みつけるだけ

 サーキットやジムカーナ場などでのスポーツ走行の練習は、タイヤの限界を探っていく作業ともいえる。その過程では、当然タイヤの限界を超えて、アンダーステアやオーバーステア、そしてスピンをすることもあるはずだ。

 クルマの挙動が乱れたとき、ダメージをなくす、あるいは最小化するための鉄則がある。それは「スピンモードに入ったら、とにかく完全停止するまでフルブレーキを続けること」。これがもっとも安全で、もっとも被害が少なくなる秘訣だ。カウンターステアを当てたり、アクセルコントロールで立て直して……などとこざかしいことは考えない方がいい。ドリフト走行をしているトヨタ86

 F1で3度の世界チャンピオンになっているサー・ジャッキー・スチュワートも、クルマが限界を超えてスピンをはじめたときは「神に祈るのみ」と言っている。1トン以上、2トン近い質量があるクルマがひとたびコントロールを失ったら、ドライバーにできることはブレーキをガツンと踏みつけるだけ。ジャッキー・スチュワート

「スピンしたら、止まるまでフルブレーキ」

 運動エネルギーは速度の二乗に比例するので、とにかくブレーキを強く踏んで、速度を1km/hでも落とすことに専念する。そして肝心なのは完全停止するまでブレーキを全力で踏み続けること。これを怠ると、スピンが収まった瞬間、クルマが反対方向に動き出して、後続車と接触したり、ガードレールと仲良くなることがよくあるからだ。ルノーメガーヌがスピンをしかけている

 したがって、スポーツ走行を楽しむ人は、「スピンしたら、止まるまでフルブレーキ」と呪文のように何度も唱え、頭にたたき込んでおいてほしい。

 しかし、知識として覚えただけでは、いざというときなかなか実践できないのも事実。本人は懸命にブレーキを踏み続けているつもりでも、端から見れば「全然足りない」ことは日常よく目にする光景なので、ジムカーナ場などで開催されるドライビングスクールなどを積極的に活用し、身体で覚えてしまうのが肝心。ブレーキを踏んでいる様子

 本当の意味でのフルブレーキ(直線でOK)と、このスピンモードのときのフルブレーキさえ身につけば、スポーツ走行におけるリスクはかなり軽減される。また、公道でのアクシデントの際にも非常に有効なので、最優先で練習することをおすすめする。

 そして、フルブレーキによってスピンを収めることができたら、落ち着いてスピンした原因について考えてみよう。

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