EV時代目前だからこそ乗っておきたい格安12気筒モデル
急速に進むEV化で将来が不安になる内燃機関。とくにブガッティ・ヴェイロンやシロンといったV8を2基組み合わせたV16エンジンなど、創造の斜め上をいく超多気筒モデルも存在するが、一般的には12気筒が常識的な範囲での最大シリンダー数となるだろう。環境性能が求められるなかで、今後はおそらくスーパースポーツカーでしか12気筒モデルは存続できないのでは? と思える時代がそこまで来ている。そんな危機感に苛まれながら、ここでは国内外の12気筒モデルを振り返りたい。
戦後初のV12モデルの系譜!
「BMW 760Li xDrive/G12型」
戦後にいち早くV12モデルを発売して話題を集めたBMWは、7シリーズにV12モデルをラインアップする。それが3代目のE38型760Liだ。この高級サルーンは6代目となるG12型にも設定され、760Li xDriveの名でBMWブランドの4ドアサルーンの最上級に君臨した。時代の流れで2L直4仕様も設定される7シリーズであるが、やはりV12は格別。現在、G12型760Li xDriveが中古車市場では500万円台から狙うことができ、中古車価格も少しずつ値上がる傾向も見られるなかで、程度の良い確かな個体が見つかったならば蜜月の愛車生活が過ごせるだろう。
違う性格を持つ2台のフラッグシップサルーン!
「メルセデス・ベンツS600&S65AMGロング/W221型」
続いてはメルセデス・ベンツSクラスの先々代モデルであるW221型にラインアップされた2台だ。まず、SクラスのW221型はBMWとは違い、直列ではなくV6〜V12ツインターボまでのエンジンラインアップを揃えるが、とにかく排気量が大きいモデルほど値落ちが大きい(※他ブランドも同様)。なかでもV12搭載モデルのS600やS65AMGロングは新車価格が2000万円前後もするのだが、それが300万円台から狙えるのだ。
ボディサイズは持て余すほど大きい訳だが、メルセデス・ベンツの小回り性の良さは驚異的。物理的な問題として駐車場のスペースに制限がなければ文句なしと言える。最新型の先進安全装備は期待できないが、逆に壊れる部品も少ないことから狙い目のモデル。お金はかかるが調子を見ながらコンディションを整えて長く付き合う一台を探しているなら、供給部品や専門店も多いSクラスはピッタリだ。