日本が誇るショーファーモデル!
「トヨタ・センチュリー/GZG50型」
日本を代表するV12モデルと言えば、2代目トヨタ・センチュリーだ。日本の美意識を体現したようなセンチュリーは、中古車市場で不思議なほど格安な値段で売買されている。ただし、日本に分相応という言葉があるように、センチュリーがどれほど安かろうが身の丈に合わないという理由で避ける人も多いはず。加えて、周囲から好奇の目で見られるほか、年間10万1200円(登録から13年超で1割高)の自動車税が高負担になることも不人気の理由だろう。しかし、あのトヨタの高級車が200万円程度で手に入るのというのは、興味がある人にとっては魅力と言える。
ちなみにセンチュリーはサイドシルとフロアの段差が少ない上に、各部の窓がすべて開くなどこれぞ日本のおもてなし文化を具現化したといって良いほどの洗練された気遣いがある。後席優先車のためリヤシートからの乗り降りも快適そのもので、若者にとっては背伸びかもしれないがちょっとした火遊び気分で所有してみるのも面白いだろう。
【番外編】V6を並列させたV12の亜種!
「VWトゥアレグW12スポーツ」
V12ではないが、ドイツで国民車を名乗るフォルクスワーゲンの初代トゥアレグも、番外編ではあるが取り上げておきたい。砂漠の遊牧民を意味する名を冠したこのSUVは、ポルシェ・カイエンの姉妹車ながら新車価格がフォルクスワーゲンとしては高価格であったことから不人気であった。またこの12気筒はV型ではなくV6を並列したW12型を採用。一時期フォルクスワーゲンが得意としていた変速的な12気筒であった。こちらは世界500台の限定車であったため、中古車を見つけることは難しいかもしれない。超高級ブランドであるベントレーにも搭載されたエンジンでもあるので、最高峰のエンジンを味わうことができる。
【まとめ】始動した瞬間から官能的な体験が叶う12気筒モデル
V型をはじめとした12気筒モデルはほかにもあるが、フェラーリやランボルギーニといったスーパーカーは庶民にとっては別世界のクルマ。クルマを投機と考えて、数年後に値上がりを機に売り払おうという方なら別だが、そのような人はごく少数のはず。逆にガレージで何年も寝かせて置けるという条件が揃えば、すでに始めている人も多いだろう。
いずれにしてもV12は、クルマ好きなら一度は運転をしてほしいと思うほどの素晴らしいエンジンである。ちょっと長めのクランキングで12気筒のすべてが始動する瞬間、上まで(高回転)回ったときの気持ち良さ、日本の速度域でも感じられるシルキーとかベルベットなどと評される滑らかなエンジンの味わい。これは体験してみないと分からないものだろう。ぜひ一度は試乗などで体験してみてほしい!