ホンダNSX
日本車で初めて、1000万円という大台に届きそうな価格設定がされたNSXは、1990年に登場しました。市販車初のオールアルミモノコックボディが技術的話題に挙げられますが、世界に影響を与えた部分はそこではありません。「スーパースポーツでありながらドライバーに優しい」という点です。
当時のスーパースポーツは快適と言えない乗り心地や良好と言えない視界など、一見さんお断りのようなモデルばかりでした。しかしNSXは当時の欧州スポーツカーに匹敵する性能を持ちながらも、視界は良好で荷物もある程度積めて、乗り心地もよくエアコンも効くという実用性を持っていました。
そんな実用性を持ったスーパースポーツという新たなスポーツカー像は、世界のスポーツカーメーカーに影響を与えました。あのゴードンマーレ―も、マクラーレンF1を開発する際にベンチマークにしたと言われています。
トヨタ・ハリアー(レクサスRX)
今でこそ世界的な自動車のトレンドはSUVですが、その流れを作ったのは間違いなく初代ハリアーと言っていいでしょう。1997年に登場したハリアーは、世界市場ではレクサスブランドからRXの名で販売されました。
それまで全高や地上高が高いクルマはクロカン車やRV車など、実用性能を重視した道具感の強いモデルばかりでしたが、ハリアーはそのようなイメージを覆しました。ハリアーは高い全高ながらも都心に溶け込む高級感あるデザインと、質感の高い内装、そして高級サルーンのようなオンロードでの快適性を誇っています。この新しい形が、クロスオーバーSUVというジャンルを確立。以後、各メーカーからオンロード主体で高級感のあるSUVが続々と登場するのです。