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パワーアップもど派手なエアロも後まわし! チューニングの第一歩は絶対ブレーキだとプロが断言するワケ

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TEXT: 加茂 新(KAMO Arata)  PHOTO: 加茂 新/Auto Messe Web編集部

  • R35GT-Rのブレーキング

  • プロジェクトμのブレーキパッド
  • S115シルビアのエンジンルーム
  • スーパー耐久レースを走る86のレーシングカー
  • R35GT-Rのブレーキング
  • 高性能ブレーキフルードの交換
  • エンドレス製のブレーキキット

エンジンパワーを求めることを否定しないが
ブレーキの強化は必要不可欠!

 チューニングと言えばパワーアップをまず先にやりたくなるもの。そりゃそうだけども、踏めるようになっても止まらなければ結局踏めなくて意味がない!! じつは速くするにはまずブレーキ強化から始めるのが正解なのだ。

クルマを止める力がなければアクセルも踏むことができない

 レーシングドライバーが猛然とストレートを加速し続けられるのは、その先で確実に止められる自信があるからだ。ストレートエンドで外から見るとハラハラするほど、コーナーに近づいてからブレーキを踏んでいるように見える。だが、彼らからすれば「う〜ん、もうちょっといけるけど、こんなもんにしておこう」というバッファ(余裕)を残している。とくにレース中は多めにバッファを残さないと、連続走行でブレーキもタイヤもパフォーマンスが毎周落ちていくので、その分の余裕を持たせている。スーパー耐久レースを走る86のレーシングカー

 予選ならば一発アタックなのでもっとギリギリを狙うが、たとえば現在のスーパーGTなら予選時間中のアタックチャンスは事実上2周ほど。数少ないチャンスでコースアウトして大幅にタイムを失うくらいなら、わずかでも減速を余らせたほうが予選順位としては有利なので、若干の余裕を残している。それほどまでに、止めることに自信が持てなければ、加速させることができないのだ。

クルマが速くなればブレーキの負担が大きくなる!

 そして、それらはちゃんと止まるブレーキシステムがあってこそのこと。プロでもブレーキシステムが貧弱で、いくらペダルを踏み込んでもなかなか強く減速できないようなブレーキでは、その分もっとバッファを残すことになる。つまりいくらパワーがあっても肝心のアクセルを踏めなくなってしまう。それはプロもアマチュアも同じだ。S115シルビアのエンジンルーム

 だからこそ、エンジンチューンの前にブレーキチューンすることをオススメしたい。クルマが速くなるとブレーキに掛かる負担は二次曲線的に上がる。ノーマルエンジンのときは「ちょっと止まらない?」くらいだったのが、ブーストアップすると「全然止まらない!!」となるわけである。そうなると怖くてアクセルが踏めなくなってしまう。つまり、なんのためにエンジンチューンをしたのかわからなくなってしまう。

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