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パワーアップもど派手なエアロも後まわし! チューニングの第一歩は絶対ブレーキだとプロが断言するワケ

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TEXT: 加茂 新(KAMO Arata)  PHOTO: 加茂 新/Auto Messe Web編集部

ブレーキ強化のはじめの一歩はブレーキパッド交換から!

 そこでクルマを速くするなら、まずはブレーキパッドを交換することから始める。パワーアップすると同じストレートでも最高速が高くなるので、高速から素早く減速できる必要がある。そうなると必然的にある程度の初期制動(バイト=噛み付くという意味)が必要になる。ノーマルエンジンでは「ちょっと踏んだ瞬間に利きすぎだよぅ」と思うパッドでも、パワーアップ後だと「お、いい感じに止まる!」と感じられるのである。ある程度初期制動があるモデルなり、強く踏み込めばそれに合わせて瞬時に利きが高まるようなパッドが必要になるというワケだ。プロジェクトμのブレーキパッド

高性能ブレーキフルードでもダメなら
キャリパー&ローター交換で対策する

 次にフルードもスポーツ走行を前提にしたタイプに入れ替える。ブレーキへの負荷が増えるとキャリパー内の温度が上がり、フルードが高温にさらされる。ブレーキフルードは沸騰してしまうとベーパーロックが起きて、ブレーキの利きが弱くなってしまうので、沸騰しにくいスポーツフルードに入れ替えるのだ。高性能ブレーキフルードの交換

 それでも自信を持ってクルマを止められないようであれば、ブレーキシステムの変更をオススメする。ブレーキキャリパー自体をスポーツ品に交換するワケだ。その場合、多くのモデルで同時にローターも大径のものになる。そもそも大きなローターの方が制動力は出しやすい。スポーツキャリパーの多くは対向式と呼ばれる両サイドからパッドを均一に押すことで、パッドの面積をフルに活用して強い制動力を出すことができる。要はローターが大きく、パッドも大きくなることで、連続周回しても発熱しにくくなり、安定した利きを手に入れることができるのだ。エンドレス製のブレーキキット

【結論】パワーアップするならブレーキとタイヤの強化は必要不可欠!

 要するにしっかりと止められれば、不安なく加速させられる。せっかくのパワーを使い切るには、まずはブレーキの強化が重要なのだ。そして、忘れちゃいけないのがタイヤ。どんなにブレーキを強化しても、タイヤのグリップがなければタイヤはロックするだけ。アクセルを踏んでも空転するだけ。タイヤもグリップ力が高く、新しいものを履くように心掛けてもらいたい。R35GT-Rのブレーキチューニング

12
  • プロジェクトμのブレーキパッド
  • S115シルビアのエンジンルーム
  • スーパー耐久レースを走る86のレーシングカー
  • R35GT-Rのブレーキング
  • 高性能ブレーキフルードの交換
  • エンドレス製のブレーキキット
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  • 加茂 新(KAMO Arata)
  • 加茂 新(KAMO Arata)
  • チューニングライター。1983年生まれ。父が初代VWゴルフ、シトロエンBX、ZXなどを乗り継いでいた影響で16歳で中型バイク(ZRX400)を購入し、大阪芸大時代にAE86を購入。卒業後はチューニング&ドラテク専門誌を15年間製作し(約2年の編集長を含む)、数多くのレースにも参戦。2021年春よりフリーランスとなる。過去には180SX、S15、NA8、SCP10、86前期&後期を所有。現愛車はAE86、GR86、ZC33Sスイフトスポーツ、CBR954RR。
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