タイラー選手は今季3度目のトップ10入り
アメリカでももっとも人気のあるモータースポーツ、NASCAR(ナスカー)。そのナスカー界で唯一の日本人オーナーである服部茂章が率いる「Hattori Racing Enterprises(HRE)」は、今シーズンもナスカーの3大トップカテゴリーである「カップ」、「Xfinity(エクスフィニティ)」、「Camping World Truck(トラック)」のトラックシリーズに、2台のトヨタ・タンドラと若手ドライバー2名でフル参戦している。
5月6日(金)、そのトラックシリーズ7戦目となる「Dead on Tools 200」がサウスカロライナ州にあるダーリントン・レースウェイで開催となった。ターン1-2と3-4の曲率、バンク角ともに異なる独特のレイアウトを持つ、1周1.366マイル(2186m)のオーバルコースで争われることとなる。3ステージ制で行われるレースは、第1ステージが45周、第2ステージは90周でチェッカーが出され、残り57周の合計147周(今回は最終的にオーバータイムで149周となった)で行われる。予選から決勝の合間に雨が降った影響で、レーススタートの合図となるグリーンフラッグは、午後8時に振られることとなった。
16号車のタイラー選手は予選12番手からスタート
HREの「#16 LiUNA Toyota Tundra」に乗るタイラー・アンクラム選手は、金曜日の午後の予選で12番手のグリッドを獲得し、6列目アウト側からレースをスタートすることに。その走り出しの状態はあまりよくなく、この日2度目のイエローコーションとなった20周目にピット作業を行って新品タイヤを装着。25周目に27番手からリスタートしたあと、16位まで順位を上げて45周目の第1ステージを終えた。
このステージブレイクで、16号車のクルーは極めて迅速なピット作業を行い大きくポジションを上げ、55周目に始まった第2ステージは9番手からスタート。74周目にイエローコーションが出されるまでトップ10内を走り続け、その後スプリット戦略により79周目のリスタートで13番手となり、第2ステージの終了までポジションをキープする。そして迎えた最終ステージでも、117周目のイエローコーション下での最後のピットストップを行うまでトップ10内のポジションを維持。最終的に8位でレースを終えることとなった。
61号車は残念ながらリタイアに……
一方、「#61 BAMA BUGGIES TOYOTA TUNDRA」に乗るチェイス・パーディ選手は、予選で22番手のグリッドを獲得。スタートからポジションを徐々に上げていき、20周目のイエローコーションで給油&タイヤ交換のためいったんは順位を24番手まで落とすものの、その後もプッシュを続ける。第1ステージを18位で終え、その後のステージブレイクでも迅速なピットワークで、8ポジションアップを達成。
第2ステージでは、55周目に行われたリスタートで15番手にポジションを上げ、さらに63周目には13番手までポジションアップ。74周目に出されたイエローコーションでピット作業を挟み79周目に20番手からリスタートし、第2ステージを17位で終えた。
97周目にスタートした最終ステージを13番手からスタートした61号車だったが、ターン3へ3ワイドの一番イン側からアプローチした際に、アウト側の2台の接触からはじかれた車両が61号車の左リアに接触。61号車は、そのままスピンをしながらウォールにヒットし、このクラッシュは計5台が絡む大きなものとなった。ここで61号車はリタイアとなり、最終的には34位という結果となった。
また、このレースに参戦していた日本人ドライバー尾形明紀選手(#43 KyowaIndustrial TOYOTA TUNDRA)は7周目の接触クラッシュがあったものの、最終的にはエンジントラブルで54周を走行したところでリタイア、35位でレースを終えている。
ナスカー・トラックシリーズは、5月14日(土)にカンザス州カンザスシティにあるカンザス・スピードウェイで開催される「Heart Of America 200(134周/201マイル)」に続く。