得意じゃないからこそ準備しておきたいサーキットの雨対策
タイムも期待できなければ事故も起きやすい雨のサーキット。エントリー費を払ったからには走るけど、楽しさより怖さが先に立つ人も多いだろう。ウエット路面が好きになることはないにせよ、苦手意識を減らしつつ安全に走るためにも、できる限りの対策は済ませておきたいものだ。
装着タイヤの溝がしっかりあるかどうかをチェックする!
まず大前提として十分に溝のあるタイヤを使うこと。スリップサイン間近なんてのは論外だし、温度域がシビアなセミスリック(レインタイヤは除く)も避ける。レースは雨の量に応じてベストな溝の高さをチョイスするのが常識だが、一般的な走行会ならリスクを背負ってタイムを出すより安全を優先すべき。ウエット路面で使えそうなタイヤを用意できない場合は、思い切って走らないというのも立派な選択肢だろう。サーキットに着いてから対応するのは難しいかもしれないが、初期タッチがマイルドなブレーキパッドも雨のときは有効だ。
ガラスの曇り止めと撥水剤の施工は必要不可欠
続いては一般道でも定番のガラスの曇り止めと撥水剤。前方の視界が確保できないまま全開で走行するなんてのは自殺行為で、自分だけじゃなくほかのクルマを巻き込んだ大事故に発展しかねない。とくにストレート区間は車速が高いうえエスケープゾーンも狭く、前方にクルマがいれば水しぶきで視界はさらに悪化してしまう。なかでも山間部のサーキットは天気予報が外れることも多く、曇り止めと撥水剤を常備しておいて損はないと思われる。また雨に濡れたレーシングスーツもガラスが曇る原因となるので、走行のインターバルはなるべく身体に雨が当たらないようにしたい。
コースインする前にドライビングシューズの滑り止めを行う
次はペダル操作のミスを防ぐ対策を。雨に濡れた靴底は当然ながら滑りやすくなりため、乗り込む前にウエスやタオルで水を拭き取っておこう。走行はレーシングシューズで降りたら普段の靴、と使い分けることができればパーフェクト!
自分自身にリミッターをかけて急の付く操作を避ける
なお、ウエットでのドライビングではいつも以上に急の付く動作を避けると同時に、なるべく雨が少ないラインを探して走るのがセオリーだ。教科書どおりのアウト・イン・アウトにこだわり、水たまりに突っ込むなんて愚の骨頂。スピンやクラッシュの確率が上がるだけじゃなく、タイムロスにも繋がるので注意したい。
【まとめ】マシンコントロールの鍛錬と割り切ることが大切!
最後は何よりも大事な「無理をしない」こと。冒頭で書いたとおりドライと同じタイムなんて出るはずもなく、マシンコントロールの練習と割り切った方がよほど有用だ。そして視界が悪かったり挙動が不安定なのは他車も一緒で、もらい事故の確率もドライより高くなると覚えておくべし。下手にオーバーテイクしたり接近しすぎたりせず、ヘッドライトを点灯するなど自車の存在をアピールし、無事故で家に帰ることが何よりの成果と心得よう。