ブームで急増中のシャコアゲはライバルとの差別化が難しくなってきた
軽自動車カスタムは今もってシャコタンが主流だが、昨今は徐々に勢力を拡大しているのがシャコアゲだ。ローダウンのように通常走行時のデメリットがなく、ちょいアゲなら車検もOK。アウトドアブームと相まってゴツゴツしたオフ系タイヤを履くことで、流行りのスタイルが完成し、ローダウンに負けないくらい目立てるのが躍進の理由だろう。
アメリカ・マイアミ発祥の「ドンクスタイル」はどんなカスタム?
さらなる高さへの欲求が抑えられない人は、そこから「リフトアップ」へとカスタムアップするのが多い。だが、「KING OF K-CAR MEETING」に参加したMさんが選んだのは、巨大なホイールと低偏平タイヤを組み合わせた「ドンクスタイル」。
ドンクスタイルとは、アメリカ西海岸で流行ったローライダーやスポコンに対抗する東海岸のカスタム文化。フロリダ州マイアミが発祥と言われているので、マイアミスタイルとも呼ばれている。簡単にいえば車種、ジャンルを問わず大径ホイール&タイヤを履きこなす、インパクト重視のスタイルとなっている。映画「ワイルドスピード」にも登場していたので、記憶に残っている人もいるのではないだろうか? 当然ホイール径が大きく、偏平率が高い方がエラく、本場アメリカでは50インチという強者もいるそうだ。
ノーマルの7インチアップとなる超大径な20インチをインストール
ベースとなったのは先代エブリー(DA64W型)。軽自動車なので50インチホイールを履くことは車体的にも難しいが、それでもノーマルの7インチアップとなるドルチェの20インチ(7.5J)と、215/30偏平の極薄タイヤをインストールするのに成功した。小さなボディに大径タイヤを組み合わせたスタイルは破壊力抜群で会場でも大注目! 誰もがこのエブリィの前で足を止め、ホイールに熱い視線を送っていた。
ただし、もちろんそのままでは履きこなせないため、プラスライン製の4インチアップキットとボルドーワールド製のエアサスを組み合わせて車高を大きくアップ。さらに、エアサスのエアバッグにタイヤが当たらないようスペーサーで外に出し、フロントはキャスター角を変更し、バンパーを削るなど可能な限り干渉対処を施しているそうだ。
より迫力を増すために前側の車高を上げるもドンクスタイルの特徴。「最初はちょいアゲでしたが、ワイルドスピードで見たこのスタイルに惚れて真似をしました」とMさん。
目指したのはキャデラックの大型SUV「エスカレード」のマイクロ版
エアロパーツはキャデラックのエスカレード風を目指したため、ダムド製をチョイス。スモークなリヤのコンビランプはライツ製で、前後のバンパー/ドアミラーを黒くすることでドレスダウン風に仕上がっている。
蛍光グリーンのボディカラーはラッピングで、サイドにはグラフィックを走らせてアメリカンカジュアルな雰囲気を演出。
ラジオのアンテナもアメ車でよく見られるAピラーの前で真っ直ぐ上に伸びるタイプに変更、さらにオーディオを北米のリーディングカンパニーと言われるロックフォード・フォズゲート製で固めるなど、USスタイルでまとめていた。また、ステアリングはムーン製で、シートカバーはグレイス製であることも付け加えておきたい。
ドンクスタイルはアメリカではセダンやクーペをベースに製作しているのを見かけるが、純正のスタイルを崩すことで違和感も含めてインパクトに残るクルマという印象。ただ、今回のエブリィのように、ボディの大きなミニバンやSUVならマッチングも悪くないと感じた。ホイールアーチ内やバンパーの加工、足まわりのセットアップの見直しなどやるべきことは多いが、そのスタイルは流行りのアゲ系に通じるものがある。ちょいアゲ派の次なるカスタムとしてドンク風スタイル(あくまでテイストを盛り込む)はアリではないだろうか!?