潰れていたクルマ屋さんの倉庫に眠っていた個体を交渉の末譲り受けた
KING OF K-CAR MEETINGで見かけたのは後期型。オーナーいわく「前期のグリルが付けたかった」と話してくれたが、正直どのような形状だったか思い出せない……。また、リヤのあおりに見える折り畳み式のステーは、長尺ものを搭載するときのストッパーだ。長年長尺は載せられないと思っていただけに、この事実は新たな発見だった。
オーナーはずっとまゆげを探していたそうで、知人を介して高知の潰れたクルマ屋さんの倉庫の奥に眠っている情報をキャッチ。オーナーと交渉して譲り受けた。オプションのカリフォルニアミラー付きの個体はボディの状態はよかったのだが、長年動いていなかったため、走り出したらどんどん壊れ、社会復帰するまで4~5カ月かかったそうだ。
じっくり室内を見たことがなかったので、オーナーに断りを入れて見せてもらう。550㏄時代のクルマなので車幅は1400mm。そのため、外側にリクライニングレバーを付けるとシート幅が狭くなるのか、レバーは内側にあった。
コレクションとして保存するのではなく、仕事の足として現在も活躍中
4WDの切り替え用レバーはシート間にレイアウト。パーキングブレーキがシート前方のフロアにマウントされているので、4WDと知らない人は切り替え用レバーをパーキングブレーキと間違えそうだ。後方のサイドウインドウは歴代で唯一開閉が可能。開けていると空気の流れが良く、想像以上に涼しいそうだ。
オーナーは前述したオマージュキットも気になったそうだが、「やっぱり本物だろう」と根気よく探し続けたそうだ。手を加えたのはホイールとタイヤだけで、コレクションとして保管するのではなく、晴れた日は仕事の足として現在も活躍中。「分かる人は振り向いてくれる」と笑顔で話してくれた。まゆげ以外にもホンダの初代バモスも動態保存しているそうで、いずれはそちらも拝見したいものだ。