ハイライトはラゲッジ内のエアロ風味なオーディオボックス
見せ技満載のエクステリア以上に力が入っているのが、オレンジとブラックカラーをベースにフルコーディネイトしたインテリア。ダッシュボード/ドア/天井などはすべてアルカンターラで張り替えており、とくにフロントドアはアクリルとLEDを駆使したイルミネーションで煌びやかさを演出する処理は、まさにショーアップカーという印象だ。ドアを開けっぱなしでも様になる。
フロントに2脚装着された本革のレカロシートはフェラーリF430もモチーフにデザイン。中央部から左右に降ろすようなステッチはまさにそれで、フェラーリオーナーが見てもうらやむ上質感溢れる仕上がりだ。
このクルマのハイライトとなるのが、リヤシート&ラゲッジの高さと奥行きを埋め尽くす、インパクトのあるエアロ風味なオーディオボックスだ。箱型のボックス形状でサブウーハー/トゥイーター/コアキシャルなどを重ねていくのが一般的である。だが、Nさんはイベントで目立つためにサウンドだけでなく、デザイン性にもこだわり「立体的なデザインにしてほしい」と、香川県のピットハウスコスギにオーダー。完成したのがこれまでの常識を覆す、このスポーティなボックスというわけだ。
カスタムの情熱なくして雑誌掲載やイベント上位は成らず!
特徴的なのは、ラゲッジ上部の左右に2本ずつ振り分けられた筒形のトゥイーター。やや外側を向くようにマウントされたデザインは、マフラーとの連動性を感じさせ、Vの字にデザインされたラックはリヤウイングを彷彿とさせる。リヤハッチからだけでなく、運転席側から見たときのビジュアルも考えられており、全方位手抜きなし。迫力あるエクステリアの雰囲気と見事に調和させたそのセンスに脱帽である。
また、4本出しのトゥイーターの中央にあるホルダーにiPad miniをビルトインして、音源の再生コントロール。さらにリヤハッチにプロセッサーを組み込むことで、リヤゲートにいながら操作できるイベント仕様ならではのシステム環境も整えている。
そのほか、内外装ともに詳細を書ききれないほど手が入っており、手数ではなくクオリティまでとことん追求したスティングレー。その総額は800万円オーバーというから、やはり雑誌の表紙を飾ったり、イベントで上位に入ることはカスタムへの情熱なくして成し遂げられないし、始めないとその楽しさも分からないというわけだ。「ビジュアルもサウンドもやりつくした感があり、次のリメイクに踏み出せないのが悩み」と語るNさん。次なる作品にも期待したい!