スズキSX4
協業ということではもう1台、スズキSX4(2006年)があった。
このモデルはフィアットとの共同開発車で、フィアット・ブランドではセディチとして発売されていた。スタイリングはイタルデザインで、SUVとコンパクトカーを掛け合わせた雰囲気は、最近のクルマにも通じるところがある。カタログ写真もヨーロッパの雰囲気。
日産ジューク
ヨーロッパでも人気を博したクルマとしては日産ジュークもあった。“あった”と書いたのは、日本市場では初代限りで、2代目は導入されずに終わったため。
「クロスオーバーというよりミニなどのスポーティで個性的なクルマがライバルです」とは、デビュー当時の開発者の話だが、自身のコンセプトは“コンパクトスポーツクロスオーバー”だとしていた。とにかくまるでショーモデルをそのまま市販化したような奮った外観・内装デザインは楽しみ甲斐があり、バイクのガソリンタンクをイメージしたボディ色のセンターコンソールなど、乗ると気持ちをワクワクさせずにはいられない……そんな感じだった。
コンパクトでやや高めのアイポイントだったから街乗りでも扱いやすく、案外、年配のドライバーも多かったモデルだ。
トヨタ・ラッシュ
トヨタとダイハツの共同開発車だったラッシュ(2006年)も、コンパクトなSUV風モデルだった。このクルマもアイポイントが高く、乗り降りのしやすい着座位置ということから、案外と幅広い年齢のユーザー層に愛用された。
決して派手さはなかったが、横ヒンジで開くバックドアや、数えきれないほど(!)の室内の小物収納ポケットなど、実用性の高さはポイントが高かった。
ホンダ・クロスロード
そしてもう1台、ホンダ・クロスロード(2007年)も忘れられないモデル。車名はディスコ(ランドローバー・ディスカバリー)がホンダからOEM供給されていた時代が初出だったが、2007年に登場したこのモデルは完全なオリジナル。
コンパクトクラスながら3列/7人乗りを実現していた点がポイントで、窓まわりを深く面取りしたスクエアで飾り気のないスタイルは、筆者は非常に好感をもって見ていたクルマだった。アルミ真空パックで劣化を抑えたボトル入りの溶剤を備えた応急パンク修理キットを全車に採用。
サイドシルガーニッシュとドアロアガーニッシュを一体化させたデザインなど、スッキリとしたスタイルだったが、4年に満たない販売期間が何とも残念なクルマだった。