何かと不便で面倒臭いキャンプの本質とは
今回のお題は「キャンプは面倒臭いからやらない方はいい」と言うエキセントリックなもの。驚かれた方も多いと思うが、多くのメディアはキャンプの魅力や楽しい部分だけを切り取ったキャンプ推奨派ばかりで、キャンプのネガティブな記事を掲載することはない。基本的にはこのコラムも推奨派であるのだが、ここではあえてネガティブな部分に触れ「キャンプがすべての人にお勧めできる趣味ではない」ことを再考してみたいと思う。
これまでマイナーだった行楽がキャンプブームで状況が一変
最近のキャンプブームは「第二次キャンプブーム」と呼ばれ、コロナ禍による室内での密を避けたいという心理が後押しをしたことで爆発的なブームを呼んでいる。その影響により週末や連休中のキャンプ場は多くの人が押し寄せ、有名なアミューズメントパーク並みの混雑を見せているのが現状だ。それは密を避けるために自然豊かなキャンプ場を目指した当初の目的に反する本末転倒なものとなり、キャンプ人口の増加にともなう混在にストレスを感じている人も少なくない。
また、キャンプブームの陰にはスポーツイベントや音楽フェス、テーマパークの人数制限や中止、感染リスクを避けるための「代替え行為」としてキャンプを始めた人もいるはずだ。そもそもキャンプに興味がなかった人やブームに便乗した人、行楽の決定権を持つ人によって半強制的に参加させられた人たちにとっては、キャンプは苦行を強いられることも多く、すべての人が両手を挙げて楽しんでいるワケではない人がいるのも事実である。
キャンプの楽しみ方は十人十色で“向き不向き”がある
雑誌やテレビで報じられるキャンプは季節が良く天気の良いシーンばかりで、実際には自然を相手にするキャンプで悪天候に遭遇することも多い。さらにはテントやタープの設営は複雑/料理を作るのが面倒/虫に刺されると痒い/慣れないテントでの就寝が苦痛/空調設備内のないテントは寝苦しい/暑い/寒い/布一枚のテントで寝るのが怖い/野生の動物に襲われないか心配/変な人がテントに入って来ないか心配などなど、キャンプのネガティブ要素を挙げるとキリがないし、キャンプをしたくない理由は枚挙にいとまがない。
ボクはキャンプの記事を執筆するとき、キャンプの楽しみ方は十人十色であり「楽しみ方に正解はない」と書くことが多く、キャンプをしたくない理由も十人十色。しかしキャンプをしたくない理由はすべてが正解であり、他人が強制するものではない。だが友人やご近所、ママ友、会社の上司に誘われれば「嫌」とは言えない人も多いはずだ。本音ではキャンプに行きたくないと思っていても、生活圏のコミュニティを壊さないために参加している人もいるのではないだろうか。
だが、そんな人たちはそろそろ正直になっても良いと思う。緊急事態宣言が解除され蔓延防止などの重点措置が解かれた今、少しずつ以前の生活を取り戻しつつあるのであれば「キャンプは苦手なので」と断る勇気を持ってほしい。そして、ここからが本題だ。