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ボンネットの穴にも種類があった! 「ダクト」の存在理由2種と形状を解説

ボンネットダクトのイメージ

エアスクープやエアインテークなどさまざまな名称がある

 スポーツカーでよく見かける穴が開いたボンネット。社外品はモチロン純正で使われるケースも珍しくなく、何かしら『熱』に関係することは想像できるだろう。名称はボンネットダクトやエアスクープ、エアインテークと何種類か存在するが、目的や構造についてあらためて考察してみたい。

存在理由その1:E/Gルーム内の熱を排出する

 そもそもの大前提となるのが、『穴』は大きくふたつに分けられること。ひとつはエンジンルームに溜まった熱を排出する目的だ。ランサー・エボリューションは純正ボンネットが排出用のダクトを備えており、ラジエーターを通過して熱を帯びた空気やタービンの熱を外部へと逃がし、オーバーヒートやエンジンルーム内のパーツが熱害を受けるのを防ぐ。

 社外品のボンネットも純正と同形状に加え、ダクト付きが数多くリリースされている。発熱量の多いチューニングカーや連続で周回するサーキット走行では、ラジエーターやオイルクーラーの強化だけじゃ冷却が追い付かない。そんな場合はダクトの開いた社外ボンネットを使い、愛車を熱のトラブルから守るのが昔からの定番なのだ。

存在理由その2:E/Gルーム内にフレッシュエアを導入

 ふたつ目はエンジンルームに外気を取り入れること。代表的はインプレッサやレガシィといったスバル車、少し時代を遡ればトヨタのスターレットなど、いずれも上置きインタークーラーのターボ車だ。

 ただしチューニングが進んでインタークーラーを前置きタイプに交換すると、吸入用のインテークはあまり意味がなくなってしまうことも覚えておきたい。その場合はフロントバンパーの開口部を大きくしたり、伸縮するダクトで強制的に空気を導くのがセオリーだ。

 ちなみに社外品はほとんどがFRPやカーボンといった素材を使っており、クーリングだけじゃなく軽量化にも大きく貢献できるのがメリットだ。おまけに見た目もスポーティになると一石三鳥である。

手軽にダクトを設置できる汎用品もある

 ほかには加工を前提とした汎用ダクトもある。パーツ自体はリーズナブルだし位置も数も自由な反面、空気の流れる経路や雨の浸入を考えて施工しないと、効果がないばかりか雨水によるトラブルが発生したり、ボンネットの剛性が下がる可能性もあるので注意しよう。

 以前サーキットで軽量のFRPボンネットをさらに加工し、大量のダクトを埋め込んだ車両がストレートを全開で加速中、隙間から入った空気が抵抗を生みボンネットが異様に盛り上がり、オレンジボール(車両に何らかのトラブルがある)を出されるシーンを見たことがある。エンジンルーム内に空気が溜まっている証拠なので、おそらく冷却の効果もあまりなかったのではないだろうか。

 雨や洗車したときの水は純正を加工したケース以外でも懸念されるが、ダクトの裏に装着するカバーが付いた社外品も多い。自宅に停めているときや街乗りのときはカバーで塞ぎ、サーキットを走るときに取り外すのがベターだろう。

 最後に排出用か導入用かのカンタンな見分け方を。開口部が車体のリヤに向かって広がっていれば排出用で、逆にフロントに向かって広がっていれば導入用と考えていい。

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