目線を遠くにする
目線が近いと操作が遅れ、行き当たりばったりの対応になりがちだ。速く走るにはできるだけ遠くを見て、計画性のあるドライビングを心がけることが肝要。近視気味の人は、スポーツ走行専用の度が強いメガネやコンタクトレンズを用意しておくのもひとつのコツといえる。座面を下げたり、タイトコーナーでは眼球だけでなく、首を振ってラインの先を見ることなども試してみよう。
ブレーキで頑張らない「レの字ライン」で走る
サーキットを走ると恐怖心が勝ってしまい、なかなかブレーキを攻められない。だからブレーキをもっと詰めれば速くなる、と期待するかもしれないが、サーキットで一番タイムを稼げるのは、ブレーキ終了地点から次のコーナーのブレーキ開始ポイントまで! つまりターンインのあとは、いかにアクセルの踏みはじめを早くできるかがカギとなる。
具体的にはブレーキは直線で踏んで、直線で終わらせ、ダラダラ曲がらず、直線的に立ち上がる。つまりUの字ではなく「レの字」ラインで走るのが効率的。ターンインを終えたら、すぐに右足をアクセルにのせ、アクセルを踏み始めたら戻さない。コーナーの途中でアクセルを戻したら、そのコーナーは失敗だ。予想よりコーナーが回り込んでいたのか、アクセルオンが速すぎたのか、その原因を分析して次の周に修正しよう。
またステアリングワークも、「ひとつのコーナーで、ハンドルは一回切って一回戻す」のが基本。修正舵が必要になるのは、目線が近い証拠でもある。
自分の走行を客観的に見て弱点を知る
データロガーや車載カメラなどを使って、自分の走りを分析するのも重要。とくにロガーで区間タイムを比較し、区間ベストをつなげると、現時点での理想の自己ベストが判明するので、まずはそれを目標とする。
そのためにはミスを減らすこと。1周走る間に、85点のコーナーもあれば、55点のコーナーもあるからタイムがバラついてしまう。1周の平均点を上げることが大事だ。そのためには乗りやすいクルマ、乗りやすいセッティング、そして再現性の高いドライビングの追求が必要となる。
クルマのメカニズムや特性を理解するのも有効
クルマのこと、タイヤのこと、セッティングのことなどを勉強し、メカニックに精通するのも、タイム向上に大いに役立つ。またドラテク関連の書籍や雑誌、動画などを見て研究するのも楽しい作業だ。情報量が多すぎて玉石混交という面もあるが、いいお手本を見出すのも、センスが試されていると思って精進しよう。