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普通のスポーツタイヤじゃない! Sタイヤでもない! サーキット派御用達の「レーシングラジアル」って何モノ?

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TEXT: 加茂 新(KAMO Arata)  PHOTO: 加茂 新/ブリヂストン/横浜ゴム/ダンロップ/Auto Messe Web編集部

  • 2018年に登場したPOTENZA RE-12D

  • POTENZA RE-12D
  • 2018年に登場したPOTENZA RE-12D
  • ADVAN A08B
  • DIREZZA β02
  • SタイヤのADVAN A050

ラジアルとSタイヤの中間に位置する最強の普段乗りタイヤ

 サーキット走行で使うタイヤといえば、「ラジアルタイヤ」と「Sタイヤ」という区分けだった。その間に、「レーシングラジアル」というカテゴリーが登場してはや数年。もはやSタイヤでは!? というほどの性能と、普通の街乗り性能をあわせ持つ、最強の普段乗りタイヤなのだ。

Sタイヤも一応、公道を走れるが……

 レースを見てもわかるように、グリップ力だけでいえば「スリックタイヤ」が一番である。しかし、一般的ではない。競技専用で購入には誓約書が必要だったり、サイズ表記も独特の外径表記だったりと、日本では一般的ではないのだ。そもそもスリックタイヤで公道を走ることはできない。

 そこでチューニングカー向けのサーキットで一番速いタイヤとして、「Sタイヤ」が浸透していた。かろうじて公道走行も違反ではない溝有りのタイヤで、Sタイヤとは、セミレーシングやセミスリックなどの略だと言われている。

 しかし、その寿命は決して長くなく、ソフトコンパウンドだと本当の実力は新品時の数周のみ。少し硬めのコンパウンドだともう少しライフが長く何度も使えるが、そうなると後述の「レーシングラジアル」とタイム的には変わらなくなっており、そもそもの存在意義が薄れてしまっている。そして、そもそもSタイヤは雨にも弱く、ロードノイズも大きく普段乗りに適さない。そこで生まれたのがレーシングラジアルだ。

SタイヤのADVAN A050

普段乗り可能な範囲でサーキット性能を突き詰めたのがレーシングラジアル

 レーシングラジアルと呼ばれるタイヤは、「POTENZA RE-12D」、「ADVAN A08B」や「A052」、「DIREZZA β02」といった商品で、サーキットでのラップタイム短縮をメインに開発されている。しかし、それなりに溝もあって普段乗りも可能。寿命についても、ベストタイムは新品時の数周がズバ抜けて速いが、そのあとも安定したタイムを刻める。車格にもよるが、例えば86/BRZの場合、サーキット走行会で1回20分×3回ほど走るとしたら、走行会を4~5回は楽しめる耐摩耗性がある。

 Sタイヤとの最大の違いは、街乗りでも普通に使えるということ。Sタイヤも法律上は公道走行可能だが、溝が極端に少ないので雨の日を考えると普段乗りで使うのはまったくオススメできない。

 対するレーシングラジアルは、そこそこ縦溝もあるので雨の日の普段乗りでも使える。とはいえ、サーキット走行時にゴムのヨレを抑えるため、どの商品も溝がそもそも浅い。なので、雨の日に決して強くはないが、注意すれば普段乗りからも使えるといった性格だ。

ADVAN A08B

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