3年ぶりの「ストリートカーナショナルズ」には軽カスタムも大挙
2022年5月15日(日)、3年ぶりにお台場で開催された「ストリートカーナショナルズ」(略してSCN)。アメリカのカスタムカルチャーを発信する「ムーンアイズ(MOONEYES)」が、1987年から開催している国内最大級のカスタムカーショーだ。エントリー台数1200台の会場には、日本が誇る軽自動車のカスタム車両も多数展示。自由自在な発想でこだわりまくったKカーたちを見ていこう。
貴重なクラシックKカーもアメリカンな装いに
まずはもっともクラシックながらクリーンなコンディションが印象的だった三菱360バン。初代ミニカの元となった軽商用車で、これはボディサイドのモールやホワイトウォールタイヤなどが加えられた「デラックス」。いわば当時の純正カスタムのような仕様に、車高を適度にローダウンして足元の「ムーンディスク」をプラスするだけでグッとアメリカンな雰囲気を引き出している、引き算の美学というより枯淡の境地というべきか、最小限のポイントをおさえた名人芸の域。
一方レモンイエローのマツダ・ポーターバンは、やはりムーンディスクを装着したうえでチンスポイラーやルーフテント、さらにミラーや各種アクセサリーパーツ、ステッカーに至るまで、オーナーが自在にカスタムを楽しんでいる様子が伝わってくる個体だ。
一見するとオリジナル度の高い初代ホンダ・ライフはファイナルステージ製435ccチューンドエンジンを搭載し、それが収まるボンネット内をピカピカにドレスアップするのがホットロッド風味。
宅配仕様のラパンにUSがよく似合うスバル軽
SCN会場の一角でアメリカ好きの注目を集めていたのは、現地でよく走っている宅配業者のバンのスタイルに変身したスズキ・ラパンだ。後部座席の窓はラッピングではなく鈑金でホントに埋めてバン化してしまった本気っぷりで、白の鉄チンホイールが「はたらくクルマ」感を効果的に演出。さらにフェンダーにリフレクターを付けて、US仕様らしさを出す芸の細かさには脱帽するほかない。
また、スバルR2とR1の2台の並びもインパクト強。もともとスバルは北米市場との関わりが深いブランドであるが、超コンパクトな軽であるこの兄弟も、ここまでアメリカンテイストが似合うとは目からウロコだ。ノーズブラ、ピンストライプの入ったルーフラックでカリフォルニアの遊びカーらしくなったR2と、ウッディワゴン風に変身したR1が好対照だった。
アメリカで走ってそうな軽バンカスタム
アメ車の魅力的なジャンルのひとつが、クールにカスタムしたバン。日本で乗り回すには大柄すぎるところだが、SCN会場には、顔面スワップしてダッジバンそっくりにしてしまったバモスの姿が。ピンストライプを効果的に使ってキャルな雰囲気満点だ。
同様にバモスをベースにした「Chevy Van」ならぬ「Chivy Van」も。顔面だけでなく細部に至るまで手の込んだカスタムが施されている。
スズキ・エブリイをアメリカン・スクールバスにカスタムしてしまったものも迫力満点。ローダウン&ピンストライプでスタイルを決めて、現地のカーショーに並んでいても違和感がなさそう(サイズ以外)。
さらに、顔面はそのままながら、70年代のホンダ・ライフステップバンを綺麗にレストア&リペイントして各種アクセサリーを奢ることで、キャルな香りを濃密に放つようになっていたクルマも印象的だ。
もはや一大ジャンルとなった「シャコアゲエブリイ」
軽カスタムのなかでも盛り上がりはいま最高かもしれないのがスズキ・エブリイ。リフトアップ=シャコアゲのノウハウが急速に普及し、顔面スワップもオーバーフェンダーも大型オフロードタイヤも何でもござれ。そんな状況のもと、いかに人とは違う個性を出すか? 壮大な実験場というべき様相を呈しているのだ。
SCN会場にはシャコアゲ系のエブリイ軍団が10台ほどもズラリと並んでいたが、ひときわ目を引いたのが白い2016年式エブリイワゴン。足まわり、ボディ、内外装と手を入れていないところはほぼなく、さらに大量のパーツとアクセサリーまで、カスタムメニューはゆうに100を超えると思われる。だが、コテコテな「やりすぎ感」を出さず、統一感あるスタイルに仕上がっているのはオーナーのセンスの賜物だろう。
ほかにも画像ギャラリーに多数のカスタム軽の写真をアップしたので、ぜひゆっくりと堪能していただきたい。