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「サンニー」はGT-Rだけじゃない! チューニング業界を賑わせたGTS-tタイプM

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭/日産自動車

GT-Rの強心臓「RB26」をFRで楽しむこともできた

 そして究極のスワップは想像できるとおり、GT-Rの心臓部としてお馴染みRB26DETT。しかし、1990年代の後半や2000年代の前半を振り返ってみると、RB20DETのままカスタムするユーザーが多かったように思う。モチロン費用や公認車検といった現実的な問題もあるだろうが、当時は3S-GTEやSR20DETといった2Lターボの名機が多かった。あえて排気量を上げずに同格のマシン同士でバトルを楽しんだり、GTS-tタイプMでGT-Rに挑むことへカタルシスを感じる人もいたのだ。

 一方でGT-Rの特徴であるブリスターフェンダーこそ再現は難しいが、リヤスポイラーやエンブレムを移植した『R仕様』も多数。外装はさておきGT-Rからの流用はシートにステアリング、クラッチやブレーキなど機能パーツにまで及んでおり、GT-RがHCR32の人気を後押しした面もあるだろう。

GT-RルックなGTS

 グリップ/ドリフト/ドラッグとどんなカテゴリーでも戦える素性のよさに加え、手ごろな価格と星の数ほどあるチューニングのパーツやメニュー、後輪駆動ならではの振りまわす楽しさにリーズナブルな維持費。当時の若者を中心とするクルマ好きを魅了しただけじゃなく、今もHCR32を「歴代で最高のスカイライン」と高い評価を与える人もいる。HCR32スカイラインGTS-tタイプMは、GT-Rに隠れた存在なんかじゃなく、間違いなくチューニング界を彩る主役のひとりだったのだ。

R32のチューニングカー仕様

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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