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車名は「聞いたことある!」でも「姿カタチは……」な微妙にマイナーなクルマ7選

車名を聞いて写真を見れば「あー!」となるクルマも……

 ここだけの話だが、編集部からの原稿依頼書には“車名を聞いてもカタチが思い出せないクルマ○選”と書かれていた。これも内情だが、依頼自体を思い出せずに締め切りを守れなかったのはオマエのほうだろう……と編集部からツッコまれたとしても誹りを免れないところだが……。そのことはさておき、決して他意(今風に言うとディスる?)はなく、合理的な基準でいえば1代限りで終わったクルマ、それだけレアだったクルマをジャンルを問わず、以下順不同で取り上げてみたい。

日産ルネッサ

 まず、日産ルネッサ(1997年)。じつはこのクルマは同年の東京モーターショー会場で華々しく発表された。しかもソニー製リチウムイオン電池を搭載し、一充電走行距離230km(当時の10・15モード社内測定値)のEVが設定されたほか、FCVの走行実験も行っていた。

 また2800mmのロングホイールベース、570mmの後席ロングスライドなども自慢で、CMに江川卓、内藤剛志、桑名正博の3名を起用し広さをアピールするなどした。だが、主力のガソリン車にあってはEV前提の二重の高い床面が災いし、マルチパーパスカー風のスタイルから想像するほどの室内のゆとりではなかった印象。広報資料には“人間を中心に置いたクルマづくり”の文言があったものの、素直に理解しにくいクルマだったような気がする。

トヨタ・オーパ

 一方で、じつは個人的には非常に独創的でいいと思えたものの、今回の記事のテーマに合致する“資格”を有していたのが、トヨタのオーパ(2000年)やナディア(1998年)など。オーパの車名はポルトガル語で驚きを表わす感嘆詞から来たもので、5名乗りながら「これはポストセダンの呼び声が高いのではないか!?」と思えた独創的でクールなスタイル、快適な室内空間と乗り味が特徴だった。

 トヨタ車では初めてCVTを使うなどのチャレンジも見逃せない。だが、決して台数が出たクルマではなかったのは、日本式のクラスや分類にハマり切れなかったためか?

トヨタ・ナディア

 同様にナディア(1998年)も、「2013年登場のシトロエンC4ピカソはソックリだったじゃないか!」と声を大にしたかったほどのクルマ。

 当時のミニバン、イプサムをショートボディ化、とはいえ前後シート間は1020mmとゆったりと取られ、イプサムと同じ660mmの運転席座面高で視界も良好、乗り降りもしやすくて取り回しも楽な手ごろな乗用車だった。

 だが、3列シートではないところが、多くのファミリーに訴求しきれなかったのかもしれない。

三菱ディオン

 ミニバン系では、ブームのころにポツンと登場して1世代で終わったクルマがほかにもあった。三菱ディオン、ミラージュ・ディンゴなどがそう。

 ディオン(2000年)は当時のシャリオが3ナンバー化したため、そのフォローで登場した5ナンバーサイズの3列/7人乗りミニバン。スタイリングは奇をてらわずむしろ大人しい部類だったが、2〜3列目の床面が低くフラットで、快適な居住空間が作られていた。

三菱ミラージュ・ディンゴ

 もう1台のミラージュ・ディンゴ(1998年)は、ミラージュをベースに仕立てられたモデルで、三菱が当時提唱していたSUW(スマート・ユーティリティ・ワゴン)の第一弾として登場。

 今、あらためて発表当時の資料一式を見返すと、“タブ”が付けられた見やすいカタログ、充実したオプションや用品など、丁寧に作られたクルマだったことが改めて伝わってくる。とはいえ、強烈な印象の縦型ヘッドランプ(のちに無難なデザインにあらためられた)など、多くのユーザーにアピールするには残念ながらアクが強過ぎたということか。

三菱カリスマ

 三菱ではもう1台、セダンのカリスマを取り上げておこう。このモデルはボルボとのジョイントベンチャーにより生まれたモデルで、全幅1695mmに仕上げられたコンパクトなセダンだった。

 乗ると、欧州車調のしっかりとしたサスペンション性能が感じられた。ベースグレードで150万円台というバリュー・フォー・マネーの実現も魅力だった。ただし日本市場では素の良さだけで勝負するのはさぞキツかっただろう……と思える。

ダイハツ・パイザー

 そのほかコンパクト系の実用車だったダイハツ・パイザー(1996年)も、久しぶりに車名を聞いたという人が多いクルマかもしれない。一見すると3列シートのミニバンのように見えたがじつは2列・5名乗りで、ダイハツも“ミニバンスタイルのコンパクトワゴン”と表現していたクルマ。

 ユニークだったのは“ラゲッジルームクッション”と“センタークッション”呼ぶ、通常は格納しておき、前席は生かしたまま後席以降に1.7mのフルフラットスペースを作るときにだけ使うクッションが設定されていたこと。迂闊にも当時、実車で試すことをしなかったのだが、今どきであれがウケたかもしれない……そんな風にも思える。

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