行きやすいのはカー用品店だが……
愛車をカスタムするための場所。自分で作業できるスキルを持つ人なら家やレンタルガレージもあり得るが、大半はチューニングに特化したプロショップか、一般的なカー用品店を頼ることになると思う。両者それぞれのメリットや目的に合った選び方を考えてみたい。
カー用品店はライトチューンまでが一般的
まずは全国展開しているような大型のカー用品店。昔は作業といってもタイヤ&ホイールやオイル交換くらいで、文字どおりカー用品の販売をメインとするお店が大半だった。しかし現在はローダウンやマフラー交換などのカスタムが浸透し、ほとんどの店舗でライトチューンまでは対応できるのが実情だ。
メリットはホームセンター的な雰囲気で初心者も気後れせずに入れることや、在庫や展示品が多いため欲しいパーツの現物を見られる可能性が高いこと、工賃や作業時間がプロショップ以上に明確であり安心感が高いことなど。また基本的には保安基準に適合するカスタムしか受け付けず、あとで車検やディーラーで修理をすることになっても心配はない。
なお、店舗によってはチューニングやサーキットでの活動に力を入れ、プロショップ顔負けのデモカーやノウハウを有しているケースもある。車種やメーカーによっての得意・不得意が少ないのも魅力だろう。
専門的知識で本格チューニングが可能になるプロショップ
続いてはチューニングをメインとするプロショップ。最大のメリットは何といっても専門的な技術や設備、蓄積された膨大なセッティングなどのデータだ。ウデがあるお店なら「ないものは作る」の精神で、ワンオフ製作や加工も苦にせず対応してくれるし、ECUや車高調の現車セッティングだってお家芸。ポン付けのようなライトチューンは当然として、フルチューンまで安心して任せることができる。
注意すべき点としてはショップというかチューナーによる技術レベルの差、車種やメーカーの得手不得手が比較的ハッキリしていること。言い換えれば得意な車種に関してはほかに負けないノウハウを持っており、それはチューニングだけじゃなくトラブルシューティングにおいても役立つ。
今では気軽に相談できる専門ショップも多い
カー用品店と比べれば敷居が高いと感じるかもしれないが、近年はビギナーに優しく丁寧な接客のプロショップが増えており、昔のように「怖い・暗い・高い」といった印象は払拭されつつある。とりあえずお試しで何かしらカスタムを経験してみたいなら大型のカー用品店、フルチューンや草レースに参戦したいなど目標が明確ならプロショップと言えるだろう。
もっとも最近は保安基準に適合した範囲でのカスタムに力を入れるディーラーもあり、行きつけのお店が存在しないビギナーは選択肢が多すぎて悩んでしまうかもしれない。医療では主治医じゃない専門家に意見を求める、セカンドオピニオンが当たり前となっている。チューニングも初めて足を運んだお店でいきなり依頼すのではなく、何店かで話を聞いたり雰囲気を感じてから『主治医』を決めるのが、後悔せずクルマ遊びを長く楽しむ秘訣だと思う。