ダウンシフト時の半クラはクラッチの消耗は少ない
ではいつ、どうやってシフトダウンしているかというと、減速時はブレーキングに集中してターンインし、出口に向かって向きが変わったところでシフトダウン。そしてクラッチをつなぐ時間を長くとる。つまり半クラッチで変速ショックを吸収しているというわけだ。半クラッチなんて使ったら、クラッチの耐久性が……と思うかもしれないが、シフトダウンで使う半クラッチは、発進時の半クラッチに比べればはるかに負担が少ないので、ほとんど無視していいレベルらしい。
それでもヒール&トゥを練習するなら安全確認が大切
というわけで、スポーツ走行以外の日常のドライブでいえば、ヒール&トゥの必要性はほとんどない。しかし、ヨーロッパ人はともかく、われわれ日本人はヒール&トゥが大好きなのも事実。その大好きなヒール&トゥをサーキットだけで正しく身につけることは至難の業なので、上達したいのならやはりストリートでも繰り返し練習に励むことも欠かせない。
必要なテクニックとは言い切れないが、上手になりたい、荷重変動なく制動距離も犠牲にしないヒール&トゥを体現したいというのなら、後続車がいないところでなおかつ同乗者がいないときに、まずは4速→3速のヒール&トゥから練習してみよう(ギヤが低いとトルクの関係で難しくなるし、3速→2速もシフト操作が直線ではないぶん難易度が上がる)。もちろん安全が確保できる交通状況で行うことが絶対条件である。