ターボへの負担を軽減するためにインナーサイレンサーの脱着を使い分ける
ただしインナーサイレンサーを使用する際には注意が必要だ。ターボ車は、できるだけ全開走行時は排気抵抗を少なくしたいもの。それは排気抵抗がタービンへの負担になるからで、やや音量が大きめのマフラーを装着していても、普段はインナーサイレンサーを入れて、サーキットではインナーサイレンサーを抜いて走るサーキット派は多い。もちろん公道を走るのであれば合法マフラーの装着が必須であることを忘れないでほしい。
ちなみに近年の車両では、エンジン始動直後から触媒による排気ガス浄化を素早く機能させるために、ファーストアイドルの回転数が高い。そうなると静かにしたい早朝の住宅街にけたたましい排気音が響いてしまう。そんなときにも合法マフラーにプラスしてインナーサイレンサーを入れるというのは、有効な手段になる。
昨今は排気管にバルブを設けて消音させる製品も登場している
また、近年では使用環境によって、それぞれの場面に応じた音量の要望を叶えてくれるバルブを装着する手もある。バタフライ式の排気音量調節用のバルブが市販されており、これなら住宅街ではバルブを絞ることで室内から音量を抑えることが可能だ。しかし、ストレート状態にしたときにも排気管の中心にはバルブが残っているので、これが排気抵抗になってしまう。つまりは痛し痒しで、いまでもあえてインナーサイレンサーにこだわる人がいるのは、こうした理由からだ。
このバルブ付きマフラーのなかにはエンジン回転数に感応して自動で開閉するタイプもある。ドライバーが任意に音量調整することはできないが、回転数などの条件で自動的に動くなら車検にパスできる製品もあるのだ。
いずれにせよ、現在は爆音マフラーにインナーサイレンサーで消音しても、保安基準的にはグレーというかほぼクロ。マフラーの事前認証に関係のない年式のクルマでも厳密にはアウトとなるので、まずは合法マフラーを選び、その上で必要であればインナーサイレンサーを装着するのが正解だ!