その4:還暦を機に20年ぶりに空冷VWへカムバック!
新潟県に在住の瀬賀吉樹さんは、1976年式のビートルが5月20日(金)、つまりツーリングの2日前に納車されたばかり! 若いころは高年式のビートルに乗っていたものの、以降はゴルフやザ・ビートルといった新しい世代(水冷式)のVWを乗り継いできたとのこと。
「ワーゲンのイベントに顔を出しているうちに、還暦になったら趣味のクルマに乗ろうかなと思うようになって、20年ぶりに空冷VWへカムバックしました。やっぱり楽しいですね。水冷のVWも運転して楽しいけれど、空冷はまた別格です。リヤエンジン・リヤ駆動の感覚も良いです」
その5:幻の「タイプ4」にひと目ぼれ
クラシックなワーゲンとして、「タイプ1=ビートル」、「タイプ2=ワーゲンバス」は有名どころで、「タイプ3」も知っていればなかなかのクルマ通。だが「タイプ4」を知っている人はかなりのマニアと言える。1968年から1974年まで販売されていた大柄なファストバックセダン&バリアントで、1972年までが「411」、それ以降が逆スラントノーズの「412」。日本でもヤナセが販売してお医者さんなどが買っていたようだが、いまとなっては現存する個体がきわめて少ない、幻のクルマだ。それゆえ、今回のツーリングの集合場所に1969年式の「411」が現れたとき、会場はザワついた。
オーナーは地元・新潟の池田 亮さん(38歳)。一昨年、仲間が神奈川県のVWショップ「K’s Collection」へカルマンギアを見に行くのに同行したら、たまたまこの411が入庫していたのでひと目ぼれして買ってしまったという。このほかにタイプ3のファストバックも所有しており、よりによってファストバックの空冷VWを2台持ちとなっている。
「ワーゲンに乗るようになって6年くらいですが、なんといっても見た目がカッコいいし、ちょっと不便なところもまた楽しいです!」
その6:ワーゲン3台のガレージハウスを自ら設計
横浜で建築事務所を営む板倉崇勝さんがドライブしてきたのは、1957年式ビートル・カブリオレだ。板倉さんはほかに1952年式ビートル、通称「スプリットウィンドウ」も持っており、奥さんの愛子さんは1958年式カルマンギアを所有。3台の50sワーゲンのための大きなガレージを備えた自宅も夫婦で設計して建ててしまっている。
「古いワーゲンに乗っていると、何もかもがマニュアル操作で、クルマの調子を見ながら走るのが本当に楽しいんですよ」
その7:「オーバル」に乗り続けて34年!
今回のツーリングに初参加したなかでも大ベテランのVWオーナーが、埼玉県の牛尾安秀さんだ。黒い1956年式ビートル、通称「オーバルウィンドウ」は25歳のときに初めてのワーゲンとして購入。それ以来、34年にわたって乗り続けているこの個体、1990年に発行されたワーゲン界の名著「VW大事典」にも掲載されている(「1957年式」として取材後にじつは56と判明)。ほかに1958年式ワーゲンバスの15ウィンドウ・デラックスも乗っている。
「好きなのはカタチかな、やっぱり。丸っこいカタチがかわいくて、高校のときからビートルに乗りたいと思ってました。クルマに限らず古いものが好きなので、ひと目見て古いクルマだってわかるオーバルウィンドウを探したんですよ。古めかしい佇まいも良いですね」
そう語る牛尾さんのビートルはオリジナル度が高いだけでなく、HAZETのツールボックスやPEROHAUSのダッシュ時計、一輪挿しのフラワーベースなど、当時もののアクセサリーも多い。さながら動く博物館のような、濃度の高いビートルなのだった。