フラットな特性もいいが“山”のある特性も刺激的
ただ気持ちよさというのは厄介なもので、トルク特性でいえばフラットトルクの方が使いやすくて速さの面でも優れているが、気持ちよさではトルクカーブに山と谷があった方が、ドラマチックな加速になる。
ターボでいえばかつてのドッカンターボ、NAでいえばハイカムを入れていわゆる「カムに乗った加速」がまさにドラマチックな加速感で、これはこれで魅力的。ホンダの初期のVTECなどは、トルク曲線に山がふたつもあって楽しいエンジンだったが、可変バルタイなどが賢くなると、高回転型のNAエンジンでもドラマチックな加速感は薄れているし、ターボもドライバビリティ重視のセッティング指向なので、加速の高揚感では軍配がつけにくい……。
いずれガソリンエンジンが終了する前に一度は味わっておきたい
結局ターボにだって、NAにだってそれぞれ名機と呼ばれるエンジンはあるわけだが、NA=ノーマルアスピレーションというように、より自然なフィーリングを重視するならやっぱりNA。絶対的パワーやチューニングの伸び代ではターボかもしれないが、その分NAには(アクセルを)踏んでいく楽しさもある。
もうすぐピュアガソリンエンジンの時代が終わると言われる今だからこそ、GR86/BRZなどNAエンジンのスポーツカーを新車で買って、そのフィーリングを堪能しておかないと後悔するかもしれない。