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ハコスカを超えたかは結局わからず終い! 闘うことが許されなかった「ケンメリGT-Rレーシング」の悲しき運命

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了/富士スピードウェイ/Auto Messe Web編集部

ケンメリGT-RがハコスカGT-Rを上まわるパフォーマンスを示すのは難しかった?

 ハコスカGT-Rの後継モデルとして登場したケンメリGT-Rは、レース仕様が開発されながらも実戦デビューを果たすことがないままお蔵入りしてしまいました。もし走っていたら、サバンナRX-3を筆頭とするRE軍団とのバトルはどうなっていたでしょうか? 今回は幻に終わったレース仕様のケンメリGT-Rを振り返ります。

レーシングカー並の心臓を持ったGT-R

 スカイラインは、日産自動車に吸収合併されたプリンス自動車工業の持っていたブランド。日産との合併後も旧プリンス系の技術陣の手でモデルチェンジを繰り返しながら生産が続けられてきた、看板商品のひとつです。

 日産との合併後に登場した3代目と4代目、そして8〜10代目ではGT-Rをラインアップしていましたが、11代目には設定されず。型式名も10代目のR34からアルファベットが変わりV35型となり、その後V36型を経て2013年に現行モデルのV37型が登場。日産スカイライン

 65年という、トヨタのクラウンに次ぐ国産としては2番目に長いモデルライフを過ごしてきました。またそのモデルライフも単に長いだけではなく、多くの世代においてモータースポーツで活躍してきた実績があり、そのこともスポーティなキャラクターを作り上げてきたように思います。

 しかし何よりも、そのスポーティなキャラクターの最大の要因となったのは2L直6ツインカム24バルブエンジンを搭載した、初代GT-Rの存在だったように思われます。グループ6のレーシングスポーツカー、プリンスR380に搭載されていたGR8型レース用エンジンをベースに、カムドライブをギヤトレーンからチェーン駆動にコンバートするなど、公道での使用を考えたオンロード仕様として設計し直したS20エンジンを搭載していたことが、何よりも高性能の証でした。ハコスカのエンジン

 オンロード仕様とは言うものの、ツインカムで気筒当たり4バルブ(6気筒だから24バルブ)というパッケージはレーシングエンジン並で、最高出力も160psを絞り出します。当然のように、ハイパワーな心臓に呼応したように、シャシーもヘビーデューティに仕上げられていました。

 ハコスカGT-Rのレースデビューは1969年の5月。富士スピードウェイで開催された、フォーミュラによるJAFグランプリのサポートレースとして行われたツーリングカーレースでした。熟成されたトヨタ1600GTとの対決は、事実上はトヨタのワークスドライバーだった高橋晴邦選手が何とか逃げ切ったものの、ホームストレートでスリップにつかれるのを嫌って何度か進路変更したことが“走路妨害”と判定されて降着。日本グランプリ

 いわくつきながらGT-Rはデビューレースウィンを飾ることになりました。この一件も、GT-R神話を盛り上げるエピソードとなっています。そしてそこからGT-Rは連戦連勝を重ね、50連勝(連勝記録には諸説あり)の金字塔を打ち立てます。日本グランプリ

 そんなハコスカGT-Rの前に立ちはだかったライバルがロータリー・エンジン(RE)を搭載したマツダ勢です。ファミリアのロータリー・クーペからサバンナ、カペラと着実にポテンシャルを磨き上げ、コンパクトなサバンナのボディに、ラインアップのなかでもっともパワフルなカペラのエンジンを移植した、サバンナRX-3が最終ウェポンとなりました。日本グランプリ

 4ドアセダンから2ドアハードトップに移行したハコスカは、キャブをルーカス製の機械式燃料噴射にコンバートするなど、エンジンを徹底的にチューニングして260ps以上を絞り出すまでになっていました。

 しかしそれ以上に大きなアドバンテージになっていたのがシャシー性能。4ドアセダンから2ドアハードトップに移行した際に全長/ホイールベースが70mm短縮されたことで、4ドアでドライバーを悩ませていたアンダーステアがよりニュートラルになり、ハンドリングマシンへと昇華したのです。

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