もっとも身近な趣味の同志として助け合っている
現在、「東京ベイサイド・クラシックカップ(Tokyo Bayside Classic Cup)」と呼ばれる旧車のサーキットイベントに親子で参戦しているFさん父子だが、その理由について息子はこのように話してくれた。
「26歳のときに僕も自分のMGミジェット1500を購入し、父が当時参戦していたインタークラブのMG-CUPに出走しました。Tokyo Bayside Classic Cupに父は初めから参戦していて、僕は子育てやら起業やらで忙しく、2014年ごろからサーキット復帰して一緒に走るようになりました」
父親がクルマ好きで良かった? と質問してみると、
「それは、どうなのでしょう? 母は半分呆れていますが、父が幸せそうなので良かったのではないでしょうか。親ガチャという言葉はあまり好きではありませんが、確かにあったと思います。実家にクルマを置くスペースがあったので、車庫を借りる必要がありませんでした。これが一番大きいです。結婚して実家を離れてからもクルマを置かせてくれて、転勤や海外出張などで東京を離れる際も父が定期的にエンジンをかけてくれていました」
「ほかにも、まったく同じMGミジェット1500を父も所有していますので、父が外した部品を流用したり、カスタムの案を共有したり、本当に恵まれた環境だったので維持してこれたのだと思います。この親ガチャが世間一般的にはアタリなのか、それとも泥沼にハマってクルマに散財するハズレなのか分かりませんが、僕がアタリと思えばアタリなので、両親には感謝しかありません。頑張って稼いで、父から引き継いだMGマグネットZBと自分のMGミジェット1500を維持していこうと思います」
子どもがアタリと思えばアタリというのは名言なので、「親ガチャ」で恵まれなかったな……と思っている人は「育ててくれてアリガトウ!」という段階から親に感謝し、これからは自身の「親ガチャ」を肯定しながら生きていくといいだろう。