ステップ2:パワードサブウーファーを追加して低音を増強
純正オーディオシステムにサブウーファーが組み込まれていないなら、サブウーファーの追加を試したい。フロントドアに付いている16~17cm程度のスピーカーでは人間の可聴限界である20Hzの再生は不可能で、がんばっても50~60Hzまで再生できる程度。ところが音源にはもっと低い周波数の音も入っているので、せっかく音楽を再生しても聴こえていない低音があるというわけ。低音は音楽の土台を支える音で、低音がしっかり出ているかどうかで、音の迫力が違ってくる。もともとサブウーファーがあれば、あとからの追加は不要だが、純正にサブウーファーがないなら迷わず追加したい。
パワードサブウーファーはパワーアンプを内蔵したタイプで、1万円代のものからある。僕は1万5000円程度の「カロッツェリアTS-WX010A」というモデルを使っているが、コンパクトなので助手席の足元に設置できるため、ラゲッジルームなど後方に置くサブウーファーのような違和感がなく、自然に低音を加えられて重宝している。より高いものほど、低音の再生能力も質も向上するので、予算に応じて選べばいいと思う。
ステップ3:DSPアンプをプラスしてサウンドを本格調整する
最近のハイエンドカーオーディオでは「DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)」でサウンドを調整するのが主流だが、純正ディスプレイオーディオでも手軽にDSPを追加できる方法がある。DSPとパワーアンプを合体したDSPアンプだ。これは純正ヘッドユニットからスピーカーにつながる線の間に割り込ませるもので、接続は比較的簡単。それでいてDSPによる高度なサウンド調整ができるから重宝する。
DSPのおもな機能はイコライザー、タイムアライメント、クロスオーバーの3つ。イコライザーは細かく分かれた周波数ごとに音のレベルを上下させて、すべての周波数をイコールに近づけることで聴きやすいサウンドに調整できるし、タイムアライメントはすべてのスピーカーから出た音が視聴位置において同時に届くよう調整することで、ホームオーディオのベストポジションで聴いているかのような理想的な音像定位を実現できる。
クロスオーバーは各スピーカーが再生する周波数帯域を割り振る役目。それぞれのスピーカーに得意とする帯域を割り当てることで、サウンドのクオリティが向上する。これらを駆使することで、純正システムのものとは異なる質に高いサウンドが楽しめるのだ。
DSPアンプは海外製のものが多く、例えばイタリアのオーディソン(Audison)というメーカーのもっとも安いものだと9ch DSPに70W×4アンプを内蔵した「AP4.9bit」というモデルが8万4700円(税込)。ほかにリモートコントローラーなどが必要となるものの、10万円ちょっとで手に入る。調整が必須だから、専門店に依頼して装着してもらうのが無難だが、先ほど紹介した「カーオーディオパーフェクトセオリーブック5」には、調整のセオリーを紹介しているので、これを読んで自分で調整してみることも可能だ。純正ディスプレイオーディオのサウンドにはけっして満足していないが、取り外しが不可能だから交換を諦めていた人はぜひチャレンジしてもらいたい。